白い悪魔

仕事前に数十分と決めて畑へ行き、少し作業をしました。
山芋のツルがお隣りの用地に手を伸ばしていたため、取り急ぎ支柱を立てます。
ツルは夜中に手探りするので、今日と明日では様子が変わるのです。

その作業中、知り合いが通りかかって少し話していた時のことでした。
ふと視線を外した時、その先で───

「ちょっと失礼……あそこで何か……」
「なに?」

───白い影がキャベツの向こう側に隠れました。
キャベツですって?

「あああああああ! やっぱり!」
「あぁー、蝶ねー」
「こいつら、どこから入って来た?!」

モンシロチョウでした。

幼虫の食害を防ぐため、苗の頃からネットを張って防除していたと云うのに。
こいつらに群がられたら最後、フンによって汚され、薬剤が必要になり、
葉の内側に死骸が挟まり、キャベツの生長を妨げられます。

「こっちにも居るわよ」
「くそ、出てけ」

ネットの一部を取り外して外へ出て行くよう促しました。
見つけ次第に駆虫する人も居ますが、さすがにそれはやりたくない。
どうせ逃がしたところで他所の用地でも対策しています。

防除が完全であったわけではないものの、このネット内に進入するということは、
注意深くネットの上を飛び回り、隙間から体を押し込まないと入れないはず。
モンシロチョウを見かける一ヶ月も前から対策していたのに。

産卵されていないと良いのですが……多分やられてるんだろうな。

結晶化室

それなりに風があり、むしろ涼しくて過ごしやすい一日でしたが、
自宅に戻って一息つくと、かすかにシャツが汗を吸っていると分かります。
こうして徐々に慣らされ、ある日に「暑いなぁ」と云うのでしょうね。

今日は実家が属する自治体で芝刈り機を買うことになったので、
ついては役員の母に呼ばれ、同系機を見に行くこととなりました。
これが無かったがために、先日の私は刈払機を扱うことになったのです。

実は引っ越す前の実家でも芝刈り機を使ったことがありました。
借り物の小型で、一軒家の庭を刈るには十分な性能ではありましたが、
私が担当したのは自治区内の空き地で、25Mプールくらいの面積です。

この範囲でも、地面の起伏(または穴)、小石や刈りづらい植物があると、
真夏の炎天下ではオーバーヒートしたり、あっと云う間に刃こぼれします。
説明書もない状態で手入れしながら終わらせた大変な作業でした。

本日に見せてもらった芝刈り機は、それに比べて大型です。
両端に片刃の入ったブレードが回転する恐ろしい奴。

それとは別に、この芝刈り機を扱っている専門店に通してもらったところ、
通常は農耕機を扱っているらしく、刈払機のほかに耕運機が沢山あり、
修理場は様々な工具が並ぶ男くさい場所でした。

「こういう場所、ワクワクするなぁ」
「えっ、何かそういう仕事とか?」

作業服を来た店員さんが、書類を片手にキョトンとしていました。

ボール盤がある。 旋盤がある。 サンダーにコンプレッサー。
選んで捨てたはずの業界でしたが、体が憶えているのです。
ここは「可能にする場所」。

「今はイラストレーターですけど、もともと工業畑なんです」
「ははぁ、それは……」

父は「男には玩具が必要だ」としていましたが、それは何も遊びに限りません。
問題の解決手段を作り出す行程すら楽しみの一つにまで昇華する場所。
好きな人にとっては、むしろ遊び場です。

故障している耕耘機を本気で直したくなりました。

大は小を

向こう一週間は昨年よりも夏にかけての気温上昇が早く、雨は少ないとか。
入梅まで一ヶ月もないでしょうし、昨年みたいに変な空梅雨は嫌だなぁ。
気象庁の資料では昨年の入梅が06/04頃……うむむ。

ところで今年のイチゴは移植分が不調です。
理由は幾つかあるでしょうが、まず未収穫が種芋となって育ったジャガイモ。
これがイチゴの苗に影を落とすので光合成が妨げられています。

もう一つは、子株の移植時期が遅かったこと。
これによって生長が間に合わず収穫が減っています。

親株からのウィルス遺伝等を避けるための移植だったのに、
結果として親株のほうが豊作で、一つあたりの実も大きい。
次の移植では、用地を継続するべきかも知れません。

それにしても食害がチラホラあります。
虫か鳥かネズミかは分かりませんが、いつも大きな実の半分を食べ残すのです。

なぜ小さい実を食べないんだ……。

混濁する住み分け

昨日の昼過ぎ、自宅玄関の近くで奇妙な昆虫を見つけました。
一見しただけでカメムシの類であることは明白でしたが、大きい。
子供時代に見た、どのカメムシよりも大きいのです。

撮影して調べてみたところ、彼の名はキマダラカメムシ。
カナブンよりも少し小さい程度で、体は平べったい。
野菜につく害虫としてのカメムシと比すれば大型にあたります。

もともと東南アジアからの外来種で、日本では沖縄や九州の分布だそうですが、
徐々に版図を拡げ、現在では中部地方を超えて北上し東京でも見られるとか。
クマゼミと同じような感じなのかな。

この大きさのカメムシが野菜に群がったら……あぁ、それは嫌だ。
十数匹のハナムグリがトウモロコシを食害する様ですらギョッとするのに。

───と思ったら、食性は畑の作物に関係ないようなので安心しました。

「この土は不味い」

雨上がりの柔らかい土で草むしりが楽でした。
先月は玉ねぎ用地でホトケノザを一掃した結果、勢いよく生長しています。
地表の雑草で養分を奪われ、土中へ下りないことの損失分は大きいようです。

ところでビーツの用地では興味深いことが起こっています。
酸性土壌を嫌うため、やり過ぎかなと思うほど石灰を仕込んだ用地では、
あるところから生長の度合いが全く異なっているのです。

今回のビーツは2種類。
一つは実家の育苗トレイで苗を育ててから用地に移植したもの。
もう一つは(多めの石灰をpHを上げた用地に)蒔いただけのものです。

前者はトレイの土ごと移植したため、環境変化によるショックは少ないはず。

───という予想とは裏腹に、元気いっぱいなのは後者でした。
前者の生長が思わしくないのは、育苗に使った培養土ではと考えます。
培養土そのもののpHが低く、用地へ移植した時点で肌に合わなかったのでは。

いやいや、これは普段から用地のpHが低すぎると考えるべきなのかな。

正常の定義

断続的な雨なので畑では何も出来ず。
そうこうしている内に、仕事も連休明けで勢いを取り戻しつつあります。
できるだけ前倒しで消化しないと、あっと云う間に追いつかれそうです。

さて、私は連休前から睡眠のパターンが滅茶苦茶になっています。
最初はちょっとした用事に合わせて徹夜しただけのことでしたが、
それが発端となって「朝に起きて夜に眠る」という生活になっています。

ごく普通の生活サイクルではあっても、昼夜逆転の私にとっては正反対です。
こうした誤差を修正するためには一週間くらいを要するわけで、
反動として不意の眠気が万事を妨げます。

[通常の私]
・20時~22時に起床
・15時~16時に就寝

[現在の私]
・06時~09時に起床
・01時~03時に就寝

う~む……ズレすぎだ。

「「「うまい!」」」

先日の刈払機による除草作業で日焼けし、薄皮がめくれて来ました。
しかし、おでこから頭皮にかけてオブラート状なので"フケ"のようです。
こんな日焼けは初めてじゃよ。

今日はトウモロコシの種を蒔きました。
この作業中、注意する必要があるのは周囲の電柱です。

より正確には、そのてっぺんに居るカラス。

ホームセンター等で購入できるトウモロコシの種は大抵が着色済みですが、
これは消毒薬だそうで、土の上にあると非常に目立ちます。
目がいいカラスは種蒔きの様子から見ているのです。

つまり、目立たないよう細工しておかないと食べられてしまいます。
あまつさえ結実したトウモロコシの皮を器用に剥いで食害するとか。
(私の畑ではハナムグリによる食害のほうが酷い)

ひらりと舞い降りた時は「来やがったか!」と思いましたが、
今日は隣の水田に居たらしい昆虫が目当てだった様子。

人間が食べて美味しいのですから無理からぬ話ではありますが、
たまにタヌキが入って茎をズタズタに引き裂かれたりもします。
毎年の作物で最も防除が大変なのは人気者のトウモロコシ。

さて……今年はどうしよう。

エネルギーの使い方

長期休暇も終了し、また平日です。
すっかり昼間が長くなって夏を待つばかり。

実は昨年から、ある実験をしています。
座しての業務に暑さ寒さは面倒なのでエアコンについてです。
いわゆる点けっぱなし、または設定温度による消費電力の抑制を試みました。

---夏---
設定温度を27℃に固定し、エアコンが必要ないと思える時期まで継続。
長時間の外出(または睡眠)以外は、2時間くらいの外出でも点けっぱなし。
利用時間帯は深夜が大半で、昼間の就寝後2~3時間で停止するよう設定。

---冬---
設定温度を22℃に固定。
(石油ファンヒーターの灯油がなくなった時点からの調べ)
基本的には「寒くなったら点ける」という程度。
もともと前者のみ試すつもりだったので後者は予定になく、
そちらについては参考にしづらいのですが、結果として───
---夏---
「外出時は例外なくエアコンを停止させる」などをしていた頃と比べ、
電気料金の請求額に大きな変化がない。

---冬---
22℃固定でも厚着をすれば何とか過ごせる。
請求額は灯油と合計していた頃と同じくらい?

───という感じです。
予定になかった冬場はともかく、夏場は少し意外でした。
外出時間が長くなった場合も含めて、大差がないのです。

やはり「温度を下げるときに最も電力を消費する」という認識で良いのかな。

最近の子供

先日の刈払機による除草作業で生じた刈草を処分することになりました。
実家が属する小さな自治会の全域で生じたもので、ゴミ袋にして70個あまり。

雑草は、それなりに水分を含んでいます。
枯れたものが殆どだったので大した重さではありませんでしたが、
ゴミ回収場までの数十メートルとは云え、70個もあると時間がかかります。

両手に6袋を持って移動し、中間点に置いて再び戻る。
すると近所の少年が手伝い始め、続いて遊び回っていた子供たちが集まりました。

「手伝ったほうがいいー?!」
「おっ? おう、やってくれるか?」

子供たちは、私が積み上げた中間点から一人一袋を持ってゴミ回収場へ。
そうして、あっと云う間に片付いてしまいました。

実は、この自治会は隣の自治会と折り合いが悪いのです。
と云うのは、あれこれ口出しが多く非常に高圧的なためでした。
どちらの管理地で生じたか不明なゴミを押し付けられたりもします。

しかし、その摩擦の狭間に居る子供だけは関係ありません。
隣の自治会に属していようと友達は友達ということなのでしょう。

「何をすべきか分かってるのが子供のほうとは、大人は顔負けですね」
「本当になぁ、いい子たちだよ」

会長は苦笑いするばかりでした。
思わぬ応援団に何か飲み物でも振舞ってやりたいところですが、
そうすると「餌付けするな」などと苦情を入れて来るのが隣の自治会。

作業後、せめて礼の一言だけでもと思い彼らのもとへ行きました。

「ありがとう、お陰で綺麗に片付きました」
「いえいえー」

大人のやりとりを見て憶えたのか社交辞令も弁えておられる。
最初に手伝ってくれた少年と互いの拳をコツンと当てて、
彼らに深く一礼して去ろうとすると、背後で一際大きな声がしました。

「楽しかったです!」

どの子の声か分かりませんでしたが、はっきりとそう聞こえました。
そうして彼らは「彼らの仕事」へと戻って行きます。

こんなに良い子じゃなかったよ、おじさんは。

呼びかける声

今日は県外へ繰り出して大きな種苗店へ行きました。
花好きな母は毎日でも通いたい所でしょうが、なかなかそうも行きません。

私は過去にパキラを育てていたことがあります。
近所のホームセンターで購入した高さ500mmくらいの三本立てを編みこんだ鉢で、
根元を白カビにやられて枯れるまでの数年間、散らかった部屋の留守番役でした。

夏場にベランダの日差しに当てると葉が分厚くなって不恰好になるとか、
気温が10℃を下回ると枯れるため部屋の中で冬越しすると、
今度は葉がセロハンみたいに薄くなるとか。

そんなことも忘れて何度か種苗店にも足を運び、畑に興味が移った今、
たまたま店内で見つけた懐かしい名前に気がかりになって、
性懲りもなく250円の鉢を買ってしまいました。

良くない買い方だと分かっていても、まだ小さく綺麗なパキラを見た時、
バカみたいな話ですが「買いなさい」と云われた気がしたのです。

ちょっとそれを信じてみよう。
プロフィール

七片 藍

Author:七片 藍
フリーイラストレーター

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