第27緑化地区

フリーイラストレーター七片藍のブログ/第27緑化地区

夕映えの鉄馬

祖母に贈る荷物を母と買いに行ったあと、実家へ戻ると弟が来ていました。

冬の転職からバイクでは厳しく実家の車を使うことが多くなり、
バイクの維持も難しくなったかと零しています。
(それより車の中に私物を置いていくのはやめなさい)

弟のバイクはSR400。
ドコドコと小気味良い廃棄音が特徴で、セパレートハンドル仕様です。
 
「そういえば、これって足つきはどうなんだ?」
「いいと思うよ」

玄関先に停めたバイクを前にして、弟と喋っていた時のことでした。
バイクにまたがった際、両足の踵(かかと)が地面につくかどうか。
これを足つきと云い、自分に合っているか、乗りやすさの目安にもなります。

もちろん足の長さには個人差があり、マシンによって乗りづらさがあります。
こうした問題を解決するため、サスペンションを調節して車高を低くしたり、
人によってはシートの中身を減らして薄くしたりします(アンコ抜き)。

「どうなんもんか……って、これにまたがったこと無かったな」
「いいよ乗ってみて、なんなら走って来なよ」
「いや、もう怖い」
「乗ってみなよー、ほらほら」

もう10年以上も前のことになりますが、
弟は私の友人や後輩も含めてツーリングに行ったこともあります。
もともと私以上にバイク好きな弟ですから、今や車だけになってしまっても、
「運転することが出来る人間」と少なからず感覚を共有していたいのでしょう。

「そのヘルメット小さくないか」
「兄貴でも入るってば、ほら」

気乗りしなかったものの、半ば弟に押し切られる形で走ってみることに。

バイクは車以上に「他人の所有物」を意識する乗り物だと思います。
体格に左右される面が多いからなのか、他人のマシンに乗り換えた時、
「~が違う、~が操作しにくい」という感覚差が大きいのです。

まして身を護るものは衣服だけで、転べば怪我がつきもの。
数年ぶりの、左手でクラッチを切り左足でギアを扱う感覚。

意外と体が憶えているらしく「ガックン」もなく走り出すことが出来ました。
近所を1kmほど流すとセパレートハンドルの前傾姿勢もあって気持ちいい。
忘れかけていた、風が体全体を撫でる感覚。

「ふー」
「どうだった?」
「いやー気持ちよかった、ありがとう」
「もう、こいつに乗ることはないかも知れないよ」

好きで乗りはしたものの、車一本だった時にすっかり体力が落ちたのか、
もともと頑丈な体でもないので冬場は辛いそうです。
排気量を落として軽いものに乗り換えるつもりだとか。

またがる機会が減ったことを寂しく思う半面、
肌寒さのある夕暮れ時の風の中は素晴らしい空間でした。
  1. 2012/05/12(土) 20:12:15|
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