第27緑化地区

フリーイラストレーター七片藍のブログ/第27緑化地区

二七日

今のところ元気でやっています。
しばらく日記を書くつもりはなかったのですが、
落ち着いたところで軌道に乗せるため、少しずつ元に戻すつもりです。

日々と様々な手続きが、父との別れを過去のものにして飛ぶように過ぎます。
火葬許可証と名のつく禍々しい書類を見た日、私の中で父の一部が崩れ、
葬儀を終え、それからも何度かに分けて父の死に直面しています。

数日前に、葬儀からしばらく滞在してくれた祖母を空港で見送りました。
喪主として、家の中が"家族だけ"になるまでが私の仕事だと思っていたので、
祖母から故郷に到着したとの一報があった時は、頭の中が空っぽになりました。

地下鉄を乗り継ぎ、自宅の最寄り駅までは2時間ほど。
向かいの車窓に映った半透明の自分が、何か置物のように見えてしまった時、
次第に気力が尽きてきて、ただただ実家に帰りたい気持ちだけが募りました。

玄関で迎えてくれた母は「よく頑張ったよ」と云ってくれました。
ひとまず終わったことを父に報告した後、遺影を前に妹と語り明かして、
自宅に戻ったのは数時間後のことです。

そうして仕事に手を付けねばならない上で、
買ってあったビールを飲み自分に甘えを許しました。
この日を境にあることが消えてしまったのですが、それは後日に書くこととします。

それから毎日、あちこち手続きに奔走しています。
入院費を清算しに行った日、お世話になった医師や看護士さんに挨拶したところ、
運良く、とくに気遣ってくれた年配の女性看護士さんに会うことが出来ました。

苦労してこの仕事に就いたとかで、その苦労を共にした同僚が亡くなった時は、
5年ほど引きずり、毎日がつらくて仕方なかったそうです。

「もう一度だけ話すことが出来たら」と願い続け、
今では「きっとこう云うだろう」と思えるようになり、
ご自身と亡き同僚の間に、"一心同体"という言葉を宛がっていました。

半ば生活の一部と化していた見舞いが終わって幾日かが過ぎ、
もう見たくないと思った病棟で、最後にこの人と話せてよかったと思います。

昨日は昨日で、中学時代の親友が線香をあげに来ました。
会って話すこと自体が数年ぶりですが、長い散歩に付き合ってくれたり、
食事を奢られたりと、私を気遣ってくれています。

これらは幸せなことです。
父の死が不幸であり、その裏面に幸いが刻まれている現状は、
依然として私が歩んで行く世界の姿であり、それが人生です。

ただ、父から仕事を引き継いで数十年になる母に限っては、
引退して長い大きな屋台骨の亡きあと、どこか精神的なぐらつきを見ます。
古い写真を見返しては、のろけて微笑んでいたかと思えば、
時おりどこか遠くを臨んでいて、それが危うく見えてなりません。

母を支えねばならないのは分かっていますし、望むところですが、
そのことについて、弟が私を心配しているとも聞いています。
独り身の私が、これまで以上に過回転するのではと。

あいつに心配されるとは───と思う反面、
父を憎んでさえいた頃の自分を全否定したくなる気持ちがあり、
その意味では、やはり私自身もどこか危ういのだと思います。

遺影は、いつ撮ったのかレストランで食事をしていた時のもの。
こんな風に笑ってくれることは、本当に少なかったな。

わが師の一人を失って、ようやく二週間です。
  1. 2011/11/30(水) 19:12:53|
  2. 日常

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