第27緑化地区

フリーイラストレーター七片藍のブログ/第27緑化地区

[虫] ミミック

子供時代に「手に入れたかった昆虫」というとカブトムシやクワガタなどで、
それらはやはりアブラゼミなんかに比べると数が少なく、うるさくもありません。

子供ながらに希少価値を理解していのだと改めて思うわけですが、
タマムシのように美しい昆虫は、心のどこかで「手に入らない」と諦めていて、
それは国内の昆虫に始まり、果ては図鑑でしか知らない外国の昆虫にも云えました。
現在ではホームセンターですら外来種を買えたりしますが……。

しかしそうした昆虫たちの中でも、単に「数が少ないから」という理由に留まらず、
別の意味で見つけることが難しい昆虫も居ます。
擬態する昆虫たちです。
 
私の子供時代、遊び場だった山では数々の昆虫を見ることができ、
彼らは少年だった私の好奇心を満たすには十分な存在でしたし、
お決まりのコースで見かけるメンバー(昆虫)は全て記憶できたほどです。

……よく居そうなのに見たことがない、"彼"を除いては。
その名はナナフシ。

体表の模様で天敵を欺(あざむ)くタイプの擬態に対し、
彼は形や動作そのものから天敵を欺く擬態です。

地元で見かけ、なおかつ興味を引く擬態昆虫は、そう多くはありませんでした。
もちろん動物の目やフンに見せかけて欺くタイプのものは居ましたが、
私にとり、図鑑の中にあって一際の異彩を放つのがナナフシでした。
なぜなら母が「田舎ではよく見た」などと云うからです。

子供だった私が"分布"という概念をきちんと理解するのは何年も後の話で、
結局「きっと地元には居ないか、あるいは極端に数が少ないのだ」と結論付け、
すっぱり出会うことを諦めると、また母から「庭先で見た」などと聞くわけです。

非常に口惜しい。

そうした記憶は大人になっても焼きついたままのようで、
数年前、ようやく地元で現物を見るに至ります。
死骸という形で。

どうしてここまで彼に会えないのか?
それはまさしく、子供だった私の目を見事に欺いた彼の勝利だからです。
こずえに揺らめき、まんまと私が通り過ぎるのを見ていた。

そんな彼に意外な場所で会えました。
実家のベランダに居たのを母が教えてくれたのです。
わざわざ私に伝えるのは、必ず反応すると知っていたからでしょう。

20110812.jpg

頭部から尾部までの長さは、およそ100mm。
鉢植えの花にとまり、ゆらゆらと体を揺らしていました。
実は発見したのは実家の猫だったそうです。

いったん自宅へ引き返し、携帯電話のカメラで撮影しました。
マクロ撮影しづらいサイズなので、かなりぼやけています。

そうして今日の日記に書いているわけですが、
さて彼の正式な名前を調べたら、私の感動を危うくさせる記述を読みます。

[ナナフシモドキ]

エダナナフシに比べて触覚が短いことで区別でき、分布に本州も含まれます。
撮影した彼も触覚が短いので、これなのかも知れません(15mmくらい)。
モドキってなんだ……普通に「ニホンナナフシ」とか期待してたのに。
ただし「ナナフシの偽者」という意味ではないようです。

うぬぅ、ここに及んで再び私を煙に巻こうとは。
彼には勝てないんじゃよ。
  1. 2011/08/12(金) 17:28:47|
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