この日は、副業に出た直後から現場仲間の発言に耳を疑いました。
「はよっす、七片さん所長が変わるって聞きました?」
「は? なんの話?」
「先週末で元の部署に戻った」
「えーそっか、まぁ、あの人は畑違いだし戻れてホッとしたろう」
「んで今日から別の人、七片さんとは因縁の」
「誰よ……」
「S」
「うっそ」
「Fさんね、聞いた瞬間に『終わった』って云ってた」
誰なのかと云うと、
昨年の7月に口論となった上役です。
現場では(いつの間にか)当時の話を知る人が少なからず居て、
一様に「七片が誰かと云い合いになるなんて」という評価でした。
そしてF氏は古参のベテラン作業員で、私が尊敬する人物ですが───
「やりづらくなる……」
「Fさん皆に『七片さん辞めたりせんかなぁ』って」
「いや辞めたりはしないけどさ」
───気を揉ませていたようです。
一方で別の古参からも同様の話を聞きました。
「あーぁ、週明け早々に嫌な話を聞いたわ」
「おう、あちこちでFさんが、あんたが辞めるんじゃないかって云っててよ」
「心配させちゃってるね」
「それで家に帰ったら、今度はОさんが電話で『七片さん辞めちゃうかも』って」
「あっはっは」
「俺はもう『その話はええわ』ってよ」
ほかにも同じことを心配していた方がいらしたようで、
こうした諍(いさか)いで転職を選ぶ人も少なくないのでしょう。
云い争いになったのは、ほんの10秒間くらいだったのですが。
そうして着任挨拶を済ませた新所長が事務所に戻ると、
現場仲間は私の顔を見るなり吹き出す等、それなりに弄られました。
しばらくすると私の持ち場にも現れます。
あれから数ヶ月も経ったし忘れていることを期待しましたが───
「七片さん、ここが忙しくなりがちって"前回"に云ってましたね」
「うっす(うはぁ、憶えてる……)」
───あっさり砕かれました。
とは云え、問題には対処してもらえそうな雰囲気ではありますし、
特に私を目の敵にしている様子もないので、杞憂かも知れません。
……考えるのやめよ。
- 2023/01/16(月) 23:59:00|
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