この日は本業一色。
仕事の上では基本かつ最も頭を悩ます一点、ポーズ。
カードイラストを描く上で、人体は表現の幅が広くて自由度が高いです。
しかし人体から離れた特徴的な体つきには"理解する時間"が必要で、
ことに「よく知る形に引き戻して」認識しようとします。
たとえば魚類。
私達が「よく知る魚の形」は、大抵が側面から見た形です。
あえて上から見るように陳列される機会は少ないし、第一わかりづらい。
一方で昆虫などは上から見た形が多いです。
側面では脚の多さを一目で認識しづらく、真横から見る機会も少ない。
どんな形であるのか容易く認識するには適した視点があり、
「適した視点に立ち戻らせる」か「認識のための手掛かり」が必要です。
この"手掛かり"を手段として、よく知る形に引き戻す。
蛇を正面から描くと頭だけになってしまうところを、
「左右にくねらせることで長い胴体であることを示す」のですね。
これが怪物となると色々と手続きが面倒です。
常識はずれにバランスの悪い体躯であろうと、それが怪物。
よく知る形に引き戻すための手段を使うと、かえって退屈な絵になる。
ここに、シリーズ内で自分を含めたイラストレーターの各作品を対象とし、
一見して他のイラストとポーズが似てはいけないという不文律もあり、
さらに採り得る選択肢が減るという制限もあります。
こんなこと17年も続けているんだな。
よく私の弱い頭なんかで、どうにかして来れたもんだ。
- 2022/10/19(水) 22:54:07|
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