この日は副業の現場に本社の上役が来ていたようです。
若い頃は(よく分からないこともあって)下っ端は小さくなりがちですが、
現場の面子は中年以上、業務上の要所ともなると、縮こまるのもバカバカしい。
「指導されたとおりの作業しているかどうか」
今も昔も、雇う側と雇われる側の間に入る目線は面倒なもので、
前者としては規則として怠慢を見過ごすわけには行かず、
後者は怠慢がなくとも「早く帰れ」というのが正直なところ。
視察後の新たな指導は後日に上長から云い渡されることが多く、
対して現場からの上申も後日となり、しばしば「うやむや」になります。
視察を終えクリップボードを手に上役が現場を去ろうとすると、
老年のベテランが近づき、こう云い放ちました。
「はい、それで何が悪かったですか」
ほぼ全ての現場仲間が「さっさと帰れ」と思っている中、
あえて引き留め「今すぐ云え」の態度に、心の中で「うひぃ」と叫ぶ私。
リアルタイムで済むことを、わざわざ上へ下へと運び直すのは時間の無駄です。
三歩の動作を一歩に縮めて合理化を図りたいと考えているならば、
今ここで答えないのは非合理的というもの。
とっくに人手が足りていない中、もはや業務の消化も危うい。
指導を受け入れることで業務の効率化が実現すれば良いですが、
大抵"そう"はならず、むしろ手枷に足枷を追加するようなものです。
これと似たようなことは先日の私も通った道ですが、
一部は意見が通り、十分でないにしても対策が講じられました。
ここでベテランが矢面に立てば、いかに現状が問題であるか知るでしょう。
大好きなゲーム「The Elder Scrolls V:SKYRIM」にて、
老首長イドグロッドの台詞を思い出しました。
「ババアは、大抵のことはお咎めなしにやりおおせるんだよ」
私が二十歳の時、父は古希の手前でした。
こういう高齢者の空気を読まないところが、すごく好きです。
- 2022/08/19(金) 23:59:00|
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