この日は(先週の約束どおり)被覆アーク溶接機を借りられました。
「全部、お面とかも入ってるから」
「あ、皮手」
「うん、ハンマーもね」
キリがないので溶接について詳しく書くことは避けますが、
バチバチと火花を放つ青白いアーク放電を裸眼で見るのは危険です。
あまりに光が強すぎて直視できず"見る"こと自体も困難で、
日光とは比較にならない強烈な紫外線により、目が炎症を起こします。
この紫外線は周囲からの反射でも浴びるので肌にも良くありません。
よって、この閃光から目を守るための溶接面(お面)、
溶けた金属が飛び散って火傷をしないための皮手袋、
ヒューム(煙)を吸い込まないための防塵マスクが必要。
ところが、ここに来て忘れていることがありました。
「ステンレスのも入ってるから」
「あ!」
「そう、使うかもと思って」
修繕対象の一つであるキッチンラックはステンレスなのです。
私は高校でガス・アーク溶接の教育を修了しており、
終身有効で更新の必要がない反面、20時間くらいの簡単な講習です。
しかし学校の実習から数えて30年、勤めた会社の作業から数えて20年。
色々と忘れていることがあります。
「謹んで、お借りいたします」
「いやいやいや、頑張ってね」
それにしても、こんなことがあるでしょうか。
このトラック運転手とは副業で週に一度(月曜日)しか会わないし、
個人的な雑談をする機会すら殆どないような関係です。
それでも私が過去に「溶接できたらなぁ」と云ったことを憶えていて、
ご自身が使う目的で買ったものを、本当に貸していただけるなんて。
本業が忙しくなければ今日からでも直すのに……うごご。
- 2022/08/01(月) 23:59:00|
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