この日は、知り合いが営む飲み屋さんへ行きました。
私の年齢と同じくらい続いていましたが、とうとう店じまい。
その最後に、母が仕事で関わることになったため挨拶に行ったのです。
母は自治会の打ち上げで過去に入ったことがあるものの、
私は地元で数十年を過ごしながら店内を見ることすらなかったので、
昭和の名残りとも云うべき独特な内装は、さながらドラマを観るようでした。
「よう唄えよぉ、もう兄ちゃんも呑める歳だろ?」
「だって夜明け前には仕事だもんよ」
「ほうかー」
酒席で呑まず唄わずは興ざめでしょうが、店主は自治会長でもあり、
もともと父とも関わりがあって、我が家と縁浅からぬ人物です。
酒が入っていても無茶を云わないのは流石。
夕暮れ時になると、あの一画に昔ながらの明かりが灯る。
自分の歳と同じだけ繰り返した、なじみの風景を形作る。
そんな場所が来月には更地になるのです。
当たり前のことですが、一つ一つ"時代"が終わっていくのを見て、
そりゃあ自分も歳をとるわけだと感じ、思い出の数は増える一方。
思い出せる過去があるのは幸せなこと。
「お疲れさまでした」と云うのを忘れていましたが、
この"閉店の会"は明後日まで続きますし、店主は近所に住んでいます。
今後も会う機会は多いし、その意味で最後を迎えるのはお店だけ。
何か畑の収穫を届けるのもいいな。
- 2022/06/24(金) 23:59:00|
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