私および母の仕事場の駐車場が廃業することになったそうですが、
予定より早く撤去作業が始まり、車止めのコンクリートブロックがくなり、
車の移動を除いて最終日までに更地とするのだとか。
しかし、狭い駐車場ということもあって作業に当たるのは老男性一人。
さらに心臓が悪いとのことで、母や利用者が手伝うことになったものの、
これまた高齢者揃いな中、少しだけ若い母が張り切ったのですが……。
反動として首の筋肉を痛めたらしく、寝ると起き上がれない。
そんなわけで一日の殆どを母の補助に努めました。
痛みがあると、その痛みを避けようとして不自然な動作が増え、
無駄な疲労が増し、疲れれば休みたくなります。
静かに活動時間が減って行く。
そして、疲れ切ってしまうと"休み方"の質も悪くなります。
とにかく横になれば……という感覚で寝そべったが最後、
不自然な寝相のまま眠り続け、目覚める頃には体中が痛い。
こうなってしまうと、むしろ悪化を助けるようなものです。
今回の痛みは病気ではないので、その痛みを散らす方向で協力しました。
「首が痛いと思ったら、すぐに引き返して頭の角度を戻して」
「うぐぐ……」
「小さな動きから可動範囲を拡げていく───今どこまで首を回せる?」
「……ここまで」
「じゃあ、本格的に痛いと感じる手前で引き返す」
「あー、右側は大丈夫みたい」
(数分後)
「そろそろ立てる?」
「んー……行けそう」
「首の向きを維持することに集中したまま、いつもどおりに起き上がる」
(数分後)
「ぷぁー! あぁ、起きられたわ!」
「寝てた時より楽でしょ」
「こんな方法どこで憶えたの?」
この20分ほど前まで、母はベッドからずり落ちた状態で横になり、
毛布を下敷きにした平らでない床で「このまま朝まで眠る」と主張していました。
少し毛布を引っ張っただけで首の激痛を訴えたほどです。
「独り暮らし、自分の体で、ぎっくり腰の時よ」
「私ぎっくり腰やったことないもんねぇ」
「意外だったでしょ、自分で回復できるって」
人間は、ややもすると老いに任せて「あとは衰えるだけ」と甘んじて受け入れ、
備わっていたはずの抵抗力を使うことなく、新しい負担を呼び込んだりします。
その一方で、高齢でも活動的な人は居る。
「本当ね……婆ちゃん90代でも働いてるし」
「現役は強い」
自力でトイレへ行き、お風呂にまで入れるくらいには回復しました。
- 2021/10/10(日) 23:59:00|
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