第27緑化地区

フリーイラストレーター七片藍のブログ/第27緑化地区

大成功

今日は長い日記。

「───で、伯母さんを驚かそうと思っちょるんけどな?」
「ほうほう、うんうん」

数日前、従弟が寝入りばなの私に電話を掛けてきました。
彼は数年前に愛知での就職が決まり、九州から名古屋に移り住んでいましたが、
その彼を頼り、彼の妹(私にとっては従妹)が愛知へ遊びに来るのです。

「伯母さん達にだけ秘密にしといて、俺らだけでサプライズっちことで」
「二人には?」
「もう話しちょる」

つまり、私の両親には秘密で挨拶に来るという計画。

私の弟妹には話が通っていると云うことで、あとは私の了解だけでした。
私は仕事の関係で迎えには行けませんが、了解した以上はやることがあります。
電話があった火曜日の夜から、本日の"その時"まで黙っていること。

うっかり口を滑らせようものなら計画が御破算です。
実際に昨夜も妹の部屋で───

「おう、あいつらから明日の連絡は……」
<<しーッ! バカ!>>
<<す、すまん>>

───と、妹に怒られました。
母が仮眠中だったので露見せずに済みましたが……。
妹は一つ思いつき、「私の"友達"が遊びに来るから」と云うことにして、
皆が集まる部屋は少し整理してもらうよう、母に頼んでいたのでした。

そして本日、従弟妹らは弟の家に顔を出したあと、
その足で弟と弟の彼女さんを伴い、私のアパートへと来ました。

「よう、10年ぶり、あーこりゃ会っても分からんな」
「兄ちゃん久し振りー! あたしだって分からんかった?」
「すれ違っても気付かんぞ、綺麗になったな」
「兄ちゃんは太った!」

私の従弟妹は6人居ますが、全員が私のことを「藍兄ちゃん」と呼びます。

従妹とは祖父の葬儀以来ですから、もう10年近くになり今では社会人です。
祖父の葬儀の一年前にも会っていて、その時も12年ぶりでしたから、
当時はまだ中学生くらいで、まだ子供だったわけです。

さて再会を懐かしむのもそこそこに、ここからが本分。
彼らは弟の車で、私は自転車でそれぞれ実家を目指しました。
実家には両親と妹が居ますが、そこで計画を知っているのは妹だけ。

そして「従弟の彼女さん」という設定で。
母も従妹と会うのは久し振りです。

「伯母ちゃーん、こんにちはー(おい、こっち来いって)」
「はーい? あらあら、いらっしゃい、お久し振り……こちらは?」
「あ、こいつは俺の───」

従弟の紹介が「こいつは俺の彼女で……」みたいな振り方だったので、
母も一見して「彼女さんかな?」と察したそうですが、どうも違う。
いわく「私を見る目が懐かしそうだった」とか。

「えっ? えっ? えっと……?」
「えへへへ、伯母ちゃん久し振りー」
「ほら、やっぱり! おかしいと思ったのよ! 顔がそうだもの!」
「まぁ一応『こいつは俺の───妹です』やけん、だはははは」

しっかり理屈が通っているのは従弟の凄いところです。
従妹だと確定するや否や、母と従妹は抱擁を交わしていました。
すると母は、今度は妹に話を振ります。

「あっ、でも3時に友達が来るのよね?」
「ううん、今がそれ」
「は?」
「みんなで驚かせようと思って、だから知らないのは母さん達だけ~」

どうやら真実の半分は理解出来ていなかったようです。
作戦は成功ですが、そこからは私が大忙し。

数日前、背広のポケットから千円札が出て来た父が、
「全部使っていいからラーメンの材料を揃えてくれ、食いたいんだ」と、
私にお札を預け、昨夜の私は特大チャーシューの仕込みを済ませていたのです。

母は「ちょうど良かった」と思ったのでしょう。
その場の全員にラーメンを振舞うよう指令が来ました
私と弟妹と両親、従弟妹、弟の彼女さん───の、合計8杯を。

「兄ちゃん自分でチャーシューとか作るの?!」
「あぁ、もうこれが普通になっちまったな」
「一枚! 一枚ちょうだい!」
「いいぞ、ほれ」

まな板を前にした私を傍らで見ていた従妹は、チャーシューをつまみ食い。
私は大抵の料理を一人前ずつ作るので、それぞれ好き嫌いを聞いておきます。
海苔やメンマ、ネギの量やスープの濃さ、生麺か乾麺か、チャーシューの枚数は。

それぞれに行き渡り、最後に自分のものを作って完了。
この後、私と両親を除いた一行は観光施設へ行くことになっていたので、
仕事で同行できない私は、一応の面目躍如を終えることが出来ました。

「じゃあ気をつけてなー」
「お兄ちゃんも行こうよ……」
「すまんな、仕事があるから」
「急ぎですか」
「急いでない仕事はない」

妹は直前まで私に参加してほしかったようですが、
イベントを楽しくさせるのは、弟や従弟が向いています。
説教臭い坊主頭のおっさんはお邪魔なので、母と二人で見送りました。

「ふう、上手く行って良かった~」
「こんなビックリなら大歓迎だわぁ」

母は最高に嬉しそうでした。
大成功です。
  1. 2011/05/21(土) 18:40:00|
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