家族の買い出しに付き合った時、妹が最後の買い物を終えた精算時、
荷物持ちをしようと、待っていた私の視線上から怒鳴り声がしました。
自分に向けられたものと思っていたら、どうやらそうではない様子。
大柄で太った壮年女性の、たて続けに放たれた別人の名により、
その怒声は、私の後方10メートルを歩く息子らしき人物が対象で、
バスに遅れるから早くしろと云っている───ようでした。
この"息子"も、おそらく私と同じか少し年上くらいの年齢。
その歳で母親に怒鳴り散らされるような粗相ではないと思うし、
30人は居たであろう周囲を騒然とさせるほどの問題でもない。
息子と合流後さらなる叱責が続くのかと思いきや、
彼が遅れたのは別の食品を買い求めに向かっていたためで、
その説明を聞くや否や、けろっと大人しくなる母親。
精算を終えた妹も「あれは何だったの?」と私に尋ねます。
久しぶりに眉をひそめるような出来事と遭遇しました。
一見すると息子が中年になっても続く親の虐待のようで、
しかし息子は母親をなだめる術を心得ているようにも見えます。
子供の頃に感じた「よその家」の一端を垣間見る気分。
久しく見なくなったのは「よくあること」だと思うようになったか、
聞き流しているのか、あえて考えないようにしているのか。
感性とは、性質を変えるより折り重なっていくものだと感じました。
- 2021/02/16(火) 23:59:00|
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