第27緑化地区

フリーイラストレーター七片藍のブログ/第27緑化地区

昔日と現今の庭

80代で畑を続けていらした方が、今年でやめることになったとか。
息子さんと相談して「(畑を)引き払える余力がある内に」と、
ご本人も納得しており、私にとっては偉大な先輩です。

一方、昨夜の大雨で土が軟らかいので耕運機を入れました。
前回は耕作ローターを阻むほど堅かったのに、今日は面白いくらいに沈む。

少し離れた用地を借りている知り合いから耕運機を頼まれていたので、
ついでにそちらも含めることにして、5平方メートルの面積を耕作しました。
この知り合いも70代くらいで、なんとか続けるつもりのご様子。

私にとって、いや「年下の世代」にとって、
年上と共有できる話題とは、どんなものがあるでしょうか。

私は独身なので、夫婦生活や子育て、まして孫の話題は畑違い。
職業は色々ですし、昔の愛知県は集団就職で他県出身の人も多い。
政治は面倒、趣味は人による……と、あまり選択肢がない。

そんな中で「あっちの畑を借りてる」と話す人がチラホラ居て、
年代的に田舎の農家生まれで手伝わされていた方が多いようです。

人それぞれの事情で集団就職により愛知へ来たものの───

「変な話よ、子供の頃は手伝わされてイヤでイヤで仕方なかったのに、
 歳をとったら自分から畑を始めて、親と同じことしてるんだから」

───と話す人が、ほかでもない母だったりします。

私にとって、畑を続ける理由の一つは親世代との共通の話題です。
誰しも老いるのだから、いわば自分の将来と話すようなもの。
どうせ歳をとるなら鼻つまみ者にはなりたくない。

畑は何年やっても学ぶことが多く、そうして学んだことすら絶対でもない。
それでも前向きに努める姿勢は変わらず、上手く行ったら情報交換。

人間は、ややもすると他人との関わり方に窮する時があります。
迷惑を掛けまいとするあまり、あえて距離をとっている内に、
いざ関わる必要が生じた時、しばしばその入り口で二の足を踏む。

ところが畑では、文字通りの"同じ畑"で話題には事欠きません。
時には余った苗を融通したり、豊作の野菜をお裾分けしたり、
珍しい野菜を教えたり、道具を貸したり、一緒に考えたり。

何よりの特徴は、それらが世代を飛び越えてしまう性質です。
便利な耕運機を所持していても、鍬だって便利で手放せない。
遺伝子にメスが入るような時代で古い知識が役立つ。

古いものと新しいもの───過去と現在が共存する。
転じて、私のような鼻たれ中年と年配者が同じ話題で頭をひねる。

そうした中で、先輩が一人また一人と畑を続けられなくなり、
寂しいと思う反面、加齢は自分自身の問題でもあります。
今はまだ、私より若い人は畑に居ません。

専業どころか兼業、まして農家ですらない自分であっても、
この先で誰かに知識を提供する機会があったりするのか。
なかったとしても、今は先輩から色々と学びたい年齢です。

亡き祖父が「なぜ俺が生きてる間に始めなかった?」と泣いてそう。
私が死ぬまでに拭えそうにない後悔の一つです。

  1. 2019/10/04(金) 23:59:00|
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