昨日は雨、本日も朝から雨……ああ畑に草が茂る。
今日は本業を中心に過ごしていました。
いつもの「どのような姿の人物や怪物であるか」を描くのではなく、
状況(または状態)の説明に主眼を置いており、やや毛色が違います。
こういう依頼の楽しさは、前者では描かない表情を扱う点です。
私が手掛ける題材というと大抵はキャラクターの紹介的なもので───
(A)普通に直立した姿
(B)戦闘の様子
(C)攻撃の様子が分かる構図
───直接的かつ限定的です。
これに対して、生活の営みにおける人間の表情や所作は無限に近い。
イラストは1枚きりで状況を説明しきらねばならず、
漫画や映像のように前後のコマ(フレーム)はありませんから、
それらがなくとも分かることが大前提であり、切り取りには吟味が必要です。
また、TCG等では事前にフレーバーテキストや物語を知らされませんし、
本の挿絵でも都合よく欄外コメントが入ってくれるわけではありません。
依頼内容と掲載文章との関連が食い違うことさえあります。
こうした不可抗力に「使えなくもない構図」を考えることも重要で、
限定的な構図は拡大解釈の選択肢を狭めるという欠点を併せ持つため、
あえて「そう見えなくもない」という構図を採用したりします。
今回の仕事は、上記における(A~C)とは異なる題材で、
出来事の一歩ないし数歩手前、あるいは出来事を想起させる仕草等、
「出来事そのものを描くわけではない」という内容でした。
これが難しいわけですが、想像力を働かせるのが楽しい。
何度も読み返したはずの本に、何ページかの読み落としがある感じ。
頭の中にある引き出しに、自分でも知らなかった閃きがある。
楽だとは云わないけど。
- 2019/08/28(水) 23:59:00|
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