6月です。
本業も忙しいのですが、母の仕事場で直すものが溜まっていたので、
2時間ほど費やして幾つか解決することにしました。
・複合機が印刷できなくなったので対処───成功。
・本棚に突っ張り棒を設置───完了。
・回転座椅子を修理───成功。
最後の座椅子は、軸受け(ボールベアリング)の鋼玉が飛び出していました。
簡単なイメージとしては、石臼で挽いた蕎麦粉が外に押し出される感じ。
回転させづらくなっていたため、まず玉を打ち込んで戻します。
ただ、このまま体重をかけて回転させると再度ベアリングが外れました。
この座椅子の軸受けは、より正確にはスラスト軸受けと呼ばれるものです。
乗用車などの車軸(シャフト)で使われる軸受けは垂直の軸回転に対応しますが、
座椅子の回転は水平の面回転なので、全てのベアリング玉に負荷が平均されます。
テレビ用の回転台が同じような構造でしょうか。
さて、この座椅子ではベアリング玉が6個しかありません。
軸受けの中にギッシリと玉が詰まったベアリングではなく、
保持器と呼ばれる部品で玉が等間隔(60度)を保っています。
利点としてはベアリング玉がずれたり脱落を防ぐほか、
強度や耐久性さえ適っていれば、仕込む玉数が最低限で済む点などでしょう。
しかし、この座椅子の保持器は金属じゃない。
硬い塩化ビニールくらいの材質なので、負荷が蓄積すると変形します。
そもそも玉の脱落は、この保持器が変形して間隔が保てなくなったことが原因。
さらには、このベアリング内部でグリスが使われていません。
玉は転がるだけで滑らないので摩擦が生じて保持器に乗り上げて踏み潰し、
さらに駆け上がってベアリング外へと脱落するわけです。
「(やる気あんのかぁ!)」
この上、ベアリングはカシメを施されて分解もできない。
ということは保持器を取り出しての整形もできないので、
ベアリング玉を強引に打ち込み、保持器に収めるしかないのです。
なんとか玉を上手いこと収め、さらにベタベタにグリスを塗って完了。
気温や摩擦熱を考慮したグリスを使うべきでしょうが、生憎そんなものはない。
<<ゴロゴロゴロ……>>
「わぁ、上手く回った!」
「たぶん垂れてきたりはしないはず……」
こうして何でもやってしまう自分に、ちょっと疲れる。