昼過ぎに一人で畑を見回っていたところ菜園前の道を老年女性が通り、
「隼人瓜だねぇ」と話し合ってるのを見かけました。
「持って行かれます?」
こういう時は母ならば見知らぬ人であっても声をかけます。
そうして誰とでもお喋りを始めるわけですが、私も大概は同じです。
「えっ? どうしよ……どうする?」
「もらっちゃおうかしら」
「どうぞどうぞ、大きいやつ選びますから」
収穫数が多い隼人瓜を地元で知っている人は二つに分かれます。
一つは昔の集団就職により愛知に移り住んだ九州出身の人か、
あるいはブラジルやペルーといった南米に住んでいた人。
後者は原産地である南米にて「シュシュ(chuchu)」と呼ばれ、
現地では一般的な食材であり、好んで食べる方もいらっしゃいます。
ところが地元では見かけないので、お裾分けすると喜ばれるのですね。
「田舎で母が育ててるのよ、緑のやつを漬物にね」
「この白いやつはクセが少ないですよ」
「あのリサイクル店の青果コーナーで見たことあるわ」
地元で売っている例を聞くのは初めてでした。
短期間ながらヤーコンを扱っていた時は「おっ」と思っていたのです。
「本当に?」
「店主が県外まで買い付けに行ってるから」
「それ前に聞いたことあります。 ちなみに幾らでした?」
「2個で200円」
「じゃあ今年のは全部で幾らになったんだ……あ、どうぞ」
「ありがとう、あぁ~懐かしい」
「一個でいいんですか? まだあるのに」
「だって、お礼できないわよ」
「待っててください」
2個ずつ手渡し、夜になって母に話すと───
「いくつ渡した?」
「遠慮してたから2つに増やした」
「そうそう、それでいいの」
───大体こう云うので、あれで良かったのでしょう。
- 2017/12/02(土) 23:59:00|
- 菜園
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