「お前、そこを動くなよ」
やにわに私が告げる時、妹は身を固くして首しか動かしません。
山の近くにある実家では、この時期になると"ヤツ"が来るわけなのですが、
妹は全速力で逃げようとするため警告しておかないと(周囲の人間が)危ない。
私は独り暮らしで慣れてしまいましたので飛んで来られない限りは冷静です。
白い壁に黒い動体があれば、よほど小さいものでなければ視界の端でも見逃しません。
母に駆虫を任せると面白がって怖がる妹を追い回したりするため、
実家に私がいる場合は信用度から私が対応しているわけです。
別に全然平気というわけではないのですが……。
本日の登場場所はエアコンの上。
殺虫剤を噴霧すると、のた打ち回る音してポトッと黒い影が落ちる。
「あっ、バッグの後ろに隠れた」
「いやあぁぁぁぁぁ!!」
妹のバッグが逃げ場所となりましたが、すでに殺虫剤が効いているので時間の問題。
間もなく姿を現し、引っくり返って動かなくなりました。
「犠牲者はバッグか」
「いいもん、もう捨てるから」
「なんで捨てるのよ、虫くらい───」
「そうじゃなくて、もう日焼けして色褪せちゃってるから」
さすがに「そういう理由」ではなかったようですが、そろそろ慣れる努力もしなさい。
- 2017/09/08(金) 23:59:00|
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