実家の用事を済ませたついでに妹と彼氏君の買い物にも付き合い、
知らないうちに道中の景色が変わっている所が多くなったと感じます。
その夜、実家でテレビを観ていると私が生まれた頃の映像が出ました。
撮影したフィルムの質なのか、そういうフィルタが掛かっているのか、
独特の色彩で流れる映像は、自分の記憶まで染めるかのような作用があり、
頭の中で思い出される古い景色が、それっぽく編集されるほどです。
映像の中で走っているのは蒸気機関車。
年代を見ると私が生まれた年でも走っていたと分かります。
「僕は乗ったことある?」
「あるわよ」
「憶えてないだけか……国鉄は民営化されて───」
「いつだったかしらねぇ」
中年男の発言として「そりゃそうだろ」と評価するまでもないことですが、
確実に一つの時代が終わっていて、随分と過去のことになっています。
子供の頃にあったものが日増しに少なくなっていく。
これは両親が昔のことを話す時と同じ感覚なのでしょうか。
我が子に話して聞かせるのと、独身男が感慨にふけるのは違うかな。
老人になっても、記憶は錆び付かずにいて欲しいものです。
- 2016/12/03(土) 23:59:00|
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