ある一件で、ちょっとした法律相談を受けに入ったのですが、
私より一回りほど若い弁護士さんと砕けた話をした際に聞いてみました。
「もしかして長男さんですか?」
「えっ?」
「いえ、字とか書き方を見てて」
「バレちゃいますか……」
字の状態、ペンの握り方、書き方や速さが私と同じくらいだったからです。
「書くことの中で、見た目の優先度が最下位になるんですよね」
「そう、とにかく漏れなく書き取ることだけを優先してて」
この人にしろ私にしろ、恥をかかない程度に「きっちり書け」と云われれば、
それなりに見た目を考えて書きますし、他人が判読できない書き方はしません。
ただし、そうも云ってられない時があります。
いつも何が優先されるかを気にする───そういう字。
私は板書の書き写しを褒められたことがあったものの、結果として頭には入らず、
典型的な「ノートは綺麗に書くけど授業を聞いていない」という人間でした。
書き写せば後でも読める……という認識が、理解の優先度を下げたわけです。
ただし、それは私の場合。
この人が抱えるのは、勉強嫌いな子供のそれとは次元が違います。
「大変な仕事だ……」
「恐れ入ります」
爽やかな青年という言葉が疑いなく当てはまりそうな弁護士さんでした。
- 2016/10/07(金) 23:59:00|
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