直近の仕事が一つ完了しましたが、これで全体の半分。
仕事の上で「今までに描いたことがないもの」を描くことは多いですが、
最近は、そうしたものをどこまで省略するかが課題となっています。
と云うのは、たとえば怪物の背後に横転したトラックを描く場合、
距離による遠近や、火災が起きていれば炎を光源としたコントラスト等、
「実際には見えないもの」が多くあり、それらは描く必要がないからです。
ただし私の絵に対する考え方というものは近視眼的で、
細部に凝った結果、全体のまとまりを失っている例が多くございます。
深く潜って詳らかにすることは得意でも、周りに何があったかは憶えられない。
これを個性とするかどうかは生かし方次第なのでしょうが、
仕事で不足がある以上は個性だ何だとは云ってられません。
要求された品質を維持するにあたっては、痒いところに手が届く資料が必要。
すなわち実際には見ていないものを補完する情報です。
しかし実際には見えないものが多く、そしてそれは描く必要がない。
どこを省略するかが課題なのですから、知識を篩(ふるい)にかけなくては。
そうして篩にかけすぎて……という結末が、もはや目に見えるかのようです。
- 2016/08/19(金) 23:59:00|
- 創作
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0