第27緑化地区

フリーイラストレーター七片藍のブログ/第27緑化地区

ひっつき虫

草刈りをしていた母に「ヌスビトハギ」の種が大量に付着し、
通りかかった知り合いのお婆さんと共に除去したりしました。

ヌスビトハギは、いわゆる「ひっつき虫(くっつき虫)」の一つで、
マジックテープのような原理によって衣服にくっついてバラ撒かれます。
空き地の原っぱで遊んだことのある人なら、経験があることでしょう。
 
服にスニーカーの紐にと夥しい量がくっつき、取るのが大変。
棒立ちする母の傍らに座り込んで除去する私。
こうしたことが、よくあります。

「こないだも取ってあげてたわねぇ」
「この人(母)は何も考えずに藪で草刈りするから……」
「一応、注意してはいるのよ!」

お婆さんが笑いながら、前回のことを思い出していました。
そう、前回もこうして取ってあげたのです。
苦しい言い訳をする母。

そうこうしている内に、母の携帯電話に実家から電話が入ります。
遅い起床の父でした。

「『朝食はどうした』って」
「いつも昼前に起きるクセに……」

老年になると食べるものに変化が訪れるのか、
変に甘いものを欲しがるようになり、それが毎日です。
それを話していたら、長い介護生活を終えたお婆さんが云いました。

「うちの人もそうだったわ、毎日そればっかり食べたがるの」
「ご主人は、お幾つで?」

聞けば、亡くなられたご主人は私の父と3歳違いの年齢でした。
性格も嗜好も似たり寄ったりで、まるで父の話を聞いている気分です。
そして、誕生日は3日しか違わないことも分かりました。

ややあって、ヌスビトハギも除去終了。
お婆さんは母の帽子を担当していました。

「本っ当、わがままで人の苦労を考えない人だったわ。
 ちょっとしたことを大げさに話すし、人をこき使うし……。
 よくも一人で8年(介護を)耐えたもんだと思う」

亡くなった配偶者の愚痴が云えるのは、それを看取った人の特権です。
しかし、その顔は懐かしげで笑ってさえいます。

「それにしても、生まれた年が近いとこんなにも似るもんかしらね?」

いちいち身につまされる話だったので、母は目を白黒させるばかりです。
困った亭主の身近な例を聞けて、嬉しそうでもあります。
男として肩身が狭い気もしますが───

「きっと分娩室が同じだったんだよ、それか新生児室でお隣さんだった」

私がそう云うと、二人ともお腹を抱えて大笑いしていました。
3歳違いですから、実際にそんなことにはなりませんが。

「困った人」って、その面倒を見られる人に「ひっつく」のかも。
  1. 2010/10/15(金) 20:37:12|
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