昨夜は知り合いが遊びに来ていました。
私の幼馴染であり、二児のシングルマザーです。
昨年の彼女は特殊な大病を患い、入院中は私も心配だったのですが、
なんとか克服しつつあるようで、薬を服用しつつも日常へ戻ってきました。
一人で二人の子供を育てるなんて、私の母すらしたことのない苦労です。
私は昔から彼女が苦手でしたが、その苦手である理由といえば、
何事においても超然としていて「敵わなかった」から。
もう我が家においては親戚のような連中です。
そんな彼女が入院したのですから、
「あいつは殺しても死なない」と思うような私でも心配するわけです。
「お前、あれから病気は大丈夫なのか」
「大丈夫だよ? 薬は要るけど」
数年前に比べると、げそっと痩せているのは明らかです。
病状が進行しているわけではありませんが、
子育ての苦労も相まって、やつれているように見えます。
とは云え、昨夜この三人が来たのは母が招いたからで、
ちょっとした食事と、花火でもして過ごそうかという内容でした。
そのあと、子供たちは夜中に空き地でバドミントン。
弟と弟の彼女さん、妹も参加しします。
「───で、あたしら折角の休みに何やってんだろ」
「いいじゃねーか、子供も楽しそうじゃねーか」
「そうだねー」
ガードレールに腰掛けて、離れたところで子供を見守る彼女が、
ぽつりと零しました。
「あの子たちが、柔道以外で張り合ってるの初めて見た」
今まで見る暇もなかったのか、見る気もなかったのか。
およそ前者であろうと感じた私は、あえて深くは聞きませんでしたが、
「ほう、そうなんか?」
「でもそのうち喧嘩になるよー」
これを聞いて、どこまでも彼女は母親を演じねばならず、
独身の私にはない重責が、今後も続くのだと痛感させられるのでした。
制服に身を包むようになった長女は、母親そっくりの口調で喋ります。
どんな話の内容だったかは忘れましたが、
娘が母親にツッコミを入れていました。
「おかぁはバカなんだよー」
ついさっき彼女の言葉を聞いた私は、思わず反論するのでした。
「おめぇ、ママはバカじゃねぇぞ」
「なんでよー、どこがー」
「……そうだな、わしと同じことをやらせたら、こいつのが優れてる」
「えー」
長女はどういう意味なのか分からなかったようですが、
云いたいことは分かったようで、それ以上は何も聞きませんでした。
そうそう、家族でない私には説得力もない。
私の意見にも限度がある。
様々なところで、子育てをめぐるトラブルや事件を耳にします。
そんな中、まずもって二人の子を育て上げる過程の苦労というものが、
その始点にすら立っていない私に、うそぶけるはずもない。
安易に「がんばれ」とは云えない身分ですが、
それでも頑張ってほしいと思いました。
親って大変だ。
- 2010/08/16(月) 22:07:21|
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