第27緑化地区

フリーイラストレーター七片藍のブログ/第27緑化地区

猛進する鉄塊

工業機械や乗用車の運転を主たる業務とする会社においては、
「ヒヤリ・ハット」という言葉を飽きるほど見聞きします。

極端な説明をすれば、これは突発的な出来事に背筋が凍る思いをしたり、
漫然と仕事をしていたら一気に冷酷な現実へ引き戻されるような、
「ヒヤリとする・ハッとする」瞬間を標語化したものでしょう。

本日、畑において耕運機を使っていたところ───そうなりました。

今の我が家で使っているのは小型管理機(カルチベーター)ではなく、
畝立ても出来る小型の耕耘機(トラクター)です。

しかし、いつ製造されたのか分からないほどに高齢の機体でした。
昨年10月に製造元をたどると「データが残っていない」とされ、
どうかすると私が生まれる前に作られた物かも知れない。

現在、様々な機械は「運転からの離脱で停止する」という仕組みが多く、
私が副業で扱うリフトも、運転席から離れるとブレーキが掛かります。
「脅威から逃げることで脅威を制御する」という合理的な作りです。

身近な例で云えば、スプレーでしょうか。
噴霧する時だけノズル部を押し、押すのをやめると止まります。
これは噴霧され続けることが脅威で、手放すことが制御です。

しかし、古い安全基準に基づいて作られた"ご老体"は例外でした。
停止させるには───

・エンジンを停止させる
・ギアをニュートラルにする
・キャブレターへの空気供給を止める

───これらの選択肢があるものの、"離脱"はありません。
ハンドルを手放してもガソリンが尽きるまで勝手に前進します。

そして耕作ローターが連動していないため、
走行用の車輪が停止していてもローターは回転を続けます。

さらに走行+ローターの回転方向が一致すると、速度が上がります。
両輪駆動とでも云えそうな状態で、当然ながら馬力も上がるわけで、
100kgはあると思われる機体が制御しづらくなるのです。

本日、後進しようとした際にローターの回転方向が加わり、
私自身に向かって猛烈に機体が迫り、制御不能となりました。
とっさに脇へ逃れたものの、トラクターは止まらない。

少し前、ローターの馬力が低すぎて耕作中に停止したため、
ベルトのテンションを引き上げています。

これによってベルトが空回りするロスが減った一方、
エンジンの馬力が真っ直ぐに伝わってローターも力強くなり、
結果、ローターの回転数が走行速度に上乗せされたわけです。

これは自転車で坂道を下る時にペダルを漕ぐようなもので、
制御を失った機体は、備品を管理しているボックスにぶつかり、
そこから乗り上げられず、アイドリング状態で唸るばかり。

この上、エンジンのスイッチが壊れていて止められず、
ギアが甘いのでニュートラルに入れづらいこともあり、
キャブレターへの空気を遮断し、不完全燃焼で停止させました。

……怖かった。
制御を失った機械の前では、人力など爪楊枝ほどに脆い。

母は「もう使うのやめよう」と云っています。

  1. 2019/09/17(火) 23:59:00|
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