祖母の誕生日が近いので色々と買い回っていた道中、
乗用車一台しか通れない川沿いの道路を走っていた時のことです。
路肩で自転車に乗って走っていた中年男性が漕ぐのをやめ、
私の運転する車が通り過ぎるのを見送ろうとしました。
恐縮した私は思わず深く一礼しつつ通り過ぎます。
すると寒風に強張った男性の顔が和らぎ、笑顔で一礼しました。
私はバイクでも車でも徹底的に道を譲るようにしていますが、
この日は前走車に次いでいたため、ギリギリまで気づかなかったのです。
「知ってる人?」
「いいや、初めて見る顔だったよ」
助手席に乗っていた母も男性の笑みに気づいたらしく、
私の知り合いだと思ったようですが、全く知らない人でした。
同じように車が一台しか通れない道を、十数年前にバイクで通ったことがあります。
対向車は道を譲らず、かわりに路肩へ反れた私は農家の畑に脱輪させてしまい、
車が走り去ると、畑の老夫婦が30cmくらい高い路面まで押し戻してくれました。
これが最初で、2回目は別の場所で自転車に乗っていた時。
やはり対向車は道を譲らず、同様に田んぼへ落ちる寸前まで追いやられ、
年下と思しき3人の青年が車内で大笑いするのを見送りました。
こんなこともあって例外なく道を譲る習慣に拍車が掛かったわけですが、
逆に譲られた場合は、後続車のことも考え即座に応じるようにしています。
しかし歩行者や自転車に道を譲らせてしまうと申し訳なさしかない。
「あんたは丁寧に頭を下げるし、あっちは嬉しそうな顔してたから」
「僕も返されるとは思ってなかった」
やっぱり遠回りでも広い道を走ろう。
- 2016/12/04(日) 19:12:33|
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