第27緑化地区

フリーイラストレーター七片藍のブログ/第27緑化地区

誰かの教え

仕事上の書類をコピーするためコンビニへ行った時のこと、
コピー機のそばに2枚かさねた習字の半紙がありました。
紙面の黒々とした文字は、毛筆で隙間を埋めるように色々と書かれています。

これは誰かがコピーだけ持ち帰り原本を忘れたものであろうと判断し、
店員さんの姿を探す間、その紙に描かれた挿絵に目が留まり、
つい邪心なく2枚の半紙に見入ってしまいました。

絵手紙を書く際に押さえておきたい点などが記されていたようで、
その中に漫画っぽく描かれた猫の顔が可愛かったのを憶えています。
笑った顔の猫と、困った顔の猫。

私は、こういう文章に添えられる"ちょっとした絵"が好きです。
必要とされる雰囲気や理解を促すために差し伸べられた手のようで、
手書きの風合いもあって、なるほど絵手紙か……と感心します。

時間にして5秒ほどでしょうか。
いかんいかん、これは個人のものだからと見つめるのをやめ、
店員さんに手渡し、当初の目的であった書類のコピーを済ませました。

私が絵手紙を書いたら「絵と手紙」であって絵手紙ではなくなり、
それはそれは退屈で温かみのない一枚になるように思います。

貰えたら嬉しいんだろうなぁ。
  1. 2015/08/21(金) 22:48:57|
  2. 日常
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いらない想像力

コンビニで清算している最中、一瞬だけ店員さんの手首のあたりが見え、
まるで皮膚を削り取ったかのような傷跡が───

「あぁ、びっくりした」
「何すか?」

───あったわけではなく、

「手首に怪我をしてるように見えたけど、違った」
「?」
「これの光だった」

バーコードリーダーの赤い光が手首に当たっただけでした。
ほんの一瞬だったせいか、かなり生々しい怪我に見えたのです。

「そんな切ったりしませんよ~」
「だよねぇ」

疲れてるんだな、寝よう。
  1. 2015/08/20(木) 23:59:59|
  2. 日常
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たまには遠くへ

弟の車が仕事中に故障したため、私が自家用車を運転して回りました。
隣町の住宅街は網の目を歪めたように複雑で、表札は知らない名前ばかり。
たまに何と読むのか分からない珍しい姓があったりします。

それぞれの生活ぶりは庭先に現れていることも多く、
きちんと手入れされていたり、ひと夏を草ぼうぼうで過ごしたと思しき庭も。
そんな中、とある一戸建てを見て驚きました。

「個人で立体なんてあるんだな」
「金あるねー」

二段式の立体駐車場。
最近では珍しくもないのでしょうが、初めて見たのです。
私が借りている駐車場は舗装すらされていないのに。

私の行動範囲は狭く、どうかすると市外へ繰り出すことすら稀です。
まして知り合いの居ない住宅街には用がないので、色々と新鮮でした。

そんな走行中、運転席側の窓ガラスに黒アリが居るのを見ます。
どうやら私の駐車場で車を這い登り、そのまま付いて来た様子。
かれこれ20kmくらいは一緒だったらしいです。

彼と私は同じくらい狭い範囲で生活していますが、
この日の彼にとっては海外旅行くらいの距離だったでしょうか。
  1. 2015/08/19(水) 23:34:02|
  2. 日常
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今は違う

数日先の週間天気予報に期待した雨マークが消える……そんな毎日です。
ここ数日は仕事で畑へ行けていないため、今日こそはと覗いたところ、
母が少し草むしりをしたので酷くはありませんでした。

今日は母の知り合いの元へ行き、生まれて半月も経たない赤ちゃんを見ました。
握りこぶしが私の指の第一関節ほどしかなく、触れただけで怪我をさせそう。
自分の手が禍々しく思えるほど赤ちゃんの手は繊細です。

私の顔は泣く子が泣き止まないので子供には近づきづらいのですが、
今回はしっかり眠っていたので覗き込んでも大丈夫。

「凛々しい眉毛ですね、ひゅっと綺麗で」

面相筆で精密に描いたかのような眉は、思わず褒めたくなるくらい。
そこで母は自分の息子が生まれた時を思い出したようです。

「あんたの時はポツンと一ヶ所、麻呂みたいだったのよ」

……そういう残念な情報は不要でおじゃる。
  1. 2015/08/18(火) 20:04:37|
  2. 日常
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正直者は

しっかり雨が降り、しっかり湿度が上がって蒸し暑いです。

今日は母が仕事で使う机を修理しておりましたが、
脚を固定する金具が脆くなっていたこともあって、補強が必要でした。

「この板を台座にして固定しよう……というわけでノコギリが要ります」
「どこに置いたかしらねぇ」

たしか畑で杭を作る時に使ったので、畑にも置いてあるはず。
でもこの蒸し暑い中に外へ出たくない。
そうして数分後。

「もういいよ、畑へ取りに行こう……じゃーんけん───」
「え?」
「ほい!」

私はパー、母はグー。

「やった、そういうわけで畑まで行ってください!」
「あ、負けたほうが行くのね」
「ぐ……」

これは母がずるい───と分かっていても、
たしかに「負けたほうが」とは云っていないのも事実です。

「じぁあいいよ、負けたほうが畑へ取りに行く、じゃーんけん───」

私が負けました。
仕方なく畑へ行くと、知り合いの小母さんが通りかかります。

「あら、お母さんは?」
「ジャンケンで負けたから僕だけ来ることになった」

よく分からないという顔をされつつ、笑われもしました。
  1. 2015/08/17(月) 23:47:12|
  2. 日常
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冬に欲しい

お盆休みも今日で終わりです。
夜から明朝にかけて雨が降るらしいので畑の水遣りはなし。
徐々に暑さが退いているのを感じます。

浴室で顔を洗っていたら、37℃設定の給湯器よりも水道水のほうがぬるかったです。
どういうことなんじゃよー。
  1. 2015/08/16(日) 23:59:59|
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せかいはぼくのもの

日没後の空気に救いを求められるくらいには涼しくなりました。
年間を通せば耐えがたい猛暑と云える期間は短いのでしょうが、
鼻から湯気を吸い込むような湿度の暑さからは、そろそろ解放されたいです。

お昼過ぎ、近所の幼稚園児が昆虫の飼育ケースを持って庭先を歩き回っていました。
ベビーカーに乗っている時から知っており、彼も私が誰だか知っています。

「何を探してんの?」
「ダンゴムシのごはん! 何を食べるの?」
「ダンゴムシ……か、こういうのじゃないかなぁ」

私が指し示したのは朽ちた葉っぱでしたが───

「これ?」
「違う、それはまだ生きてる葉っぱ」
「これ?」
「それも違う」

───彼が寄越してくるのは引き抜いたばかりの雑草です。
それが証拠に、ケースの中には菊のものと思しき葉っぱも入っていました。
「葉っぱは枯れると見た目などが変化する」ということが理解できない様子。

まだ青々とした葉っぱと、枯れた葉っぱの両方を並べて示すと、
ようやく自分が入手すべきものが何であるのか分かったようですが、
興味の対象は次へと移り、まるで水切りの平たい小石が跳ねるかのようでした。

見るもの全てが刺激的で、彼の眼前に拡がる疑問と不思議に溢れた世界では、
答えを得ることの感動が連続し、瞬く間に認識が刷り直されていきます。
この速さに対応できるのは、きっと子供だけでしょう。

仕事の日程が変わって溜め息が出た時、そんなことを思いました。
  1. 2015/08/15(土) 23:56:28|
  2. 日常
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「ひぎゃああああああ!」

「兄貴ってさ、ジェットコースターとか乗れる人?」
「いきなり何?」
「いいから」

弟が急に電話をしてきました。

先日、彼女さんと一緒に遊園地でジェットコースターに乗らされたそうですが、
いわゆるエレベーターが下降する時の「ふわっと浮き上がる感覚」が苦手で、
全身に力を込めて抵抗した結果、筋肉痛になってしまったとか。

そこで「兄貴はどうなんだろう」と。
最後に乗ったのは中学校の修学旅行かな?

乗れないことはないでしょうが、好き好んで乗りたくはありません。
バイク事故で宙を舞ったことがあり、瞬間は死を覚悟しますから、
当然ながら下手な絶叫マシンよりも生きた心地がしないわけです。

よって極度の緊張と危機からの解放が「生きてる!」という安堵に繋がり、
事故時に似た速度と衝撃の世界を娯楽として楽しめない体になったのでしょう。

「乗れっちゃ乗れるけど、乗りたくないなぁ」
「なるほど、俺と同じだわ」

そこまで嫌いなのに結局は乗らされた弟が、気の毒でもあり微笑ましくもあり。
  1. 2015/08/14(金) 23:59:59|
  2. 日常
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難しい野菜

昨夜から朝にかけて降った待望の雨により、今日は水やりなし。

先日に続いて友人から夕食をご馳走になっている最中、
私の趣味となった畑について話していて、秋以降の作物を挙げた時のことでした。

「あとは白菜と……あぁそうだ、ヤーコンがあるな」
「なんか云ってたね、芋だっけ」
「そうそう」
「美味いの?」

あの味わいを説明するのが難しいです。
ぬめりのない山芋というか、野菜のようでいて果物っぽい。
わずかにクセと甘味があって、生のまま食べてよし、加熱してよし。

「え~と……まぁ収穫したら渡すから、食えば分かる」
「ふむ」
「簡単に折れるんだよ、こう、指に少し力を入れるだけで、パキッと」
「???」

もともと日本になかった野菜だからなのか。
渡した時の友人の表情が今から楽しみです。
  1. 2015/08/13(木) 23:59:59|
  2. 創作
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あの子

記録によると、私は9年前の六月に近所でガラの悪い老年男の大声を聞き、
男児2人と女児1人が怒鳴りつけられているところに出くわしています。

私を子供たちの父親であると早合点され、今度は私までが絡まれてしまい、
聞けば男児がイタズラ(いわゆるピンポンダッシュ)をしたのだとか。
溜まりかねた男が「ブチ殺すぞ!」などと物騒に脅していました。

すくみ上がった子供、激昂する男、巻き添えをくった私という構図で、
事態を収拾するため、イタズラを詫びさせることで事なきを得ています。
完全に萎縮して輝きをなくした子供の目を、今でも思い出せるほどです。

後日、怒声の男は堅気の人間ではないという話も聞いて、
知らなかったとは云え、私も運のない男だなぁと思ったわけですが……。

それから時を経た本日、スーパーで買い物の清算をしている時、
片言の日本語で店員さんに何かを尋ねる外国人女性を見かけました。

彼女はタブレットを手にして地元の住所を尋ねていたので、
お節介な母が助けようと入ったところ、言語は英語。
助っ人を買って出た見知らぬブラジル人男性も「英語は分からない」の顔。

仕事の関係で母が理解できるのは、単語レベルのスペイン語とポルトガル語。
それでも住所は分かるのだから───と、同行することになりました。
はるばるカナダから親戚を訪ねて田舎町の駅に降りたようです。

歩きながら聞き出したことによれば、なんと近所の外国人一家の親戚で、
母が一家の子供の名前を挙げたことで「その家です!」と。
さぞや驚いたことでしょう。

この時、母が列挙した名前の中にあったのが、
9年前に私が仲裁した出来事で、三人の子供のなかにいた女の子だったのです。

現在は高校生くらいでしょうが、世の中って本当に狭いですね。
  1. 2015/08/12(水) 23:59:59|
  2. 日常
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