昨日の日記にあるGoogleマップで地元のストリートビューを見ていたら、
ふと、いつも視線の遥か先にある山々へは、本当にたどり着けるのかと考えました。
生活の場から遠く離れた場所にあるようでいて、毎日きっちり視界に入る山です。
何をバカな……と思われるでしょうが、毎日ずっと遠くに見ているだけの山だと、
道中の街や道路を知らなければ、ただ遠くにあるだけで現実味を失います。
何より私の一年は変化に乏しく、まず県外へ赴くことなど稀です。
どうかすると、まる一週間を数百メートル圏内で過ごしています。
旅行好きの人からすると我慢ならない生活かもしれません。
そうすると周囲の変わり映えしない環境こそが「この世の全て」となって、
遠くの景色を精密な風景画と入れ替えても気付かないかも知れないくらい、
日々の景色の中でも一際白々しく感じる、あの山が気になってきます。
そう思って、大まかな方角だけで歩いたこともないストリートビューの道路を進み、
日没まで西の彼方に屹立する、いつ見ても変わらない山を目指してみました。
縮尺を変えつつ、ひたすら西へ西へ。
すると実際に車で走れば一時間くらいの場所に来ても、まだ山は遠いままです。
焦れて縮尺を10kmに設定すると、あっと云う間に地図から道が消えてなくなる。
途端に、あの白々しさの正体が分かったような気がしました。
出勤と退社のない自分の環境は、殆ど動かない"点"に近い存在で、
山からしてみれば私の地元も「精密な風景画」と入れ替えたって気付かない。
進むのをやめたストリートビューに映った町の画像には、
地元では見ない看板が沢山あり、風化で変色した電柱も見て取れました。
知人の一人も居ないであろう不案内な町に、私は生活の匂いを探そうとします。
すっかり山まで進むことを忘れて、半日かけて散歩でもした気分になりました。
- 2015/02/04(水) 23:59:59|
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