第27緑化地区

フリーイラストレーター七片藍のブログ/第27緑化地区

彼らの世界

お昼過ぎ、近所に住む三児のママさんと話しました。
幼稚園児の長男が園内で騒いだと聞かされ、ちょっと落ち込んでいる様子。

たまに訪れる姑には理解がある反面、なぜか自分の母親は全く関心がなく、
子育てについて実の親に相談できないことを苦しいと感じているようです。
全体的に「誰かに話して姿勢を正したい」という印象。

私は独身ですから、子育てについての苦労や自己矛盾に向き合うことがありません。
まだパタパタ走り回るだけの長男を「落ち着きがないです」と評された親の心持ちとは。

「───それで、この子は大丈夫だろうか、むしろ私がストレスの原因かなって」
「子供には全てが新鮮だから、ああやって遊んでても……ほらもう別のことが気になった」
「うん」

「子供には、僕らが見てる普通の景色すら『普通だ』って評価するための経験がないよ。
 もし数秒ごとに新しい建物が現れたり、変な生き物が歩くようなことが起きたら、
 大人の僕らだって、そんな事態の一つ一つに合理的な説明を欲しがる」
「うん……?」

「子供は関心があるものを理解したくて、その全てに触れたがるんだと思うよ。
 『これは、こういうものなんだ』っていう答えが欲しくて接触しようとする。
 逆に何でもないものなら『別に何でもないことなんだ』って云う答えが欲しい」
「ふ~む」
「刺激に溢れた環境だから、見るもの全て手当たり次第で忙しいんじゃないかな」

そうこうしていると当の長男が私のところへ駆け寄ってきて、
私があげた小さな電車の玩具を手の中に隠して「どっちにある?!」と聞いてきます。
手の膨らみから判断し───

「こっちだ」
「はいってない!」
「ウソだ絶対ある、こちょこちょ……」
「きゃははははは」

───くすぐって手を解かせてしまうと、はしゃいで走り去ります。
これが10回くらい繰り返され、しかしポケットに隠す知恵もあるから侮れない。

「こら! 石ころは持ってきちゃダメ! ……ごめんね、いつもあんな感じ」
「もしかして最近じっくり接する機会が減ってる?」
「それは凄く減ってる、下が生まれてからは構ってられなくて」
「悪さを注意して、また悪さをしたから注意───の繰り返し」
「そうそう」

「子供は注意しても基本的には聞かないからね」
「本当そう、私の云いかたが悪いのかなって、それも気になって」
「『聞かなかった結果どうなるのか』を知りたくて繰り返すのかも」
「え? え?」

「怒鳴られて怖かったとか、玩具が壊れて遊べなくなる───のが結果。
 本人が期待した結果でなくても、そこを線引きして答えにするのも教育じゃないかな」
「うーむ……」

やめなさい───ではなく、"やめないとこうなる"。
だからと云って怪我をされても困るし、毎日のように怒号が飛び交うのも避けたいはず。
答えと愛情を欲する小さな生命の育っていく不安が、私に分かろうはずもないけれど。

あっと云う間に一時間くらい経ってしまいました。

「ふあー! ありがとうございました、なんか凄い相談に……」
「いやいや、ほらママが帰るって云ってるぞ、そっちじゃない」
「でんしゃ! でんしゃ!」
「電車の玩具はママが持ってるよ、さぁ帰るよ~」

役に立てたかどうかは別にして、笑顔で帰っていったので良しとします。
  1. 2014/10/23(木) 20:59:16|
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