第27緑化地区

フリーイラストレーター七片藍のブログ/第27緑化地区

記憶のトラブル*千円

夕食は母を外食に連れ出しました。
酒は嗜まず、こじゃれた店も嫌いな人なので、
ちょっと昔(昭和)の雰囲気でまとめているところへ。

少し前にも書きましたが私は昭和の後期に生まれた人間です。
中期の農家に生まれた母が若い頃に聞いていた歌を、よく耳にしていました。
そのためある程度は当時の娯楽や文化水準に理解があり、また尊重してもいます。

父を亡くして以来、母との会話は半分くらいが昔の話です。
決して楽ではなかった実家は何度となく嘆息の出る思いをしたものの、
それも過ぎてしまえば笑い話になったりして、感覚を共有できることが財産になります。

家庭的な雰囲気の食堂で食べたことのあるものを食べ、話の通じる相手と話す。
家族に限ったことではありませんが、中年を過ぎると大切だと感じることが多いです。

思うにこれは、長年の生活で記憶と経験が複雑化していくにあたって、
よどみなく情報を引き出せるよう、本能的に退化を防ぐ行動ではないでしょうか。
「内側がゴテゴテに錆び付いてしまった水道管」にしないため、脳が施す浄化作用。

───してみると、私の水道管も錆びつき始めているのかも。
  1. 2014/10/31(金) 23:59:59|
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どん詰まり

昨夜は一晩中をラフとの取っ組み合いに費やしていたのですが、
これが殆ど徒労と呼べる内容で、箸一本でハエを追い回すような八時間でした。
やること成すこと大半が引っ掛からず、目をつぶって絵を描いていた感じさえします。

こういう時にどうすれば良いかを、私は経験で知っているはずでした。
早々に諦めて頭を休めるか、最初のイメージを丸ごと捨てて一からやり直すか。

ラフを描いている時、しばしば路面の小石となるのがこの"最初のイメージ"です。
ここでつまづくことは延々とシャツのボタンをかけ違えるのに似ていて、
さもないと数時間を丸ごとドブに捨てかねません。

しかし下手に「行けそうな感じ」がすると、その可能性に賭けてしまいます。
そうしてボロ舟のまま漕ぎ出せば、あとは浸水の汲み出しに消耗させられるだけ。
昨夜はそのような時間を過ごし、全てが無駄ではないにせよ変に疲れただけでした。

明けて本日の作業では、やや良い感じに進んでいます。
日程は2日のズレが生じているので悠長なことは云ってられません。

年に数回、こういうことがあります。
  1. 2014/10/30(木) 23:47:43|
  2. 日常
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錆と油

およそ昨日の作業によるものでしょうが、背筋が筋肉痛になっています。
数年前に自転車で転び右ひざの靭帯を痛めた際、それから三日間をコルセットで固定したら、
思いのままに動かせていた右ひざが元に戻るまで数週間を要することになりました。

そして現在の仕事に就いてからというもの、はっきりと自覚できるほどには運動不足なのに、
昨日シャベルを振るった両腕は意外にも痛みを訴えず、ただただ背中だけに違和感があります。

・使い続けた筋肉を使わなくなる
・そうして使わなかった筋肉を急に使い出す

中年にもなると、この二つを主軸にした体調不良も増えます。

これから運動を始めることで少年時代の身体能力を取り戻せるとして、
上記の二つが私の体を覆い尽くした時、どれくらい寝込むことになるのでしょうか。

……そんなことを考えてばかりだから運動不足なんだよ、私は。
  1. 2014/10/29(水) 23:20:17|
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5月の勉強 11月の採点

畑でサツマイモの全てと里芋の一部を収穫し、その後を耕しておりました。
それにあたって籾殻(もみがら)も混ぜるので、ちょっと作業が増えます。
籾殻は堆肥化するまでに時間がかかる反面、空気を含んで土が固まるのを防ぐのです。

さてサツマイモは霜が下りるまでに収穫───というわけで時期的には問題ないですが、
彼らは肥料を与えても地上のツルが育つばかり(ツルぼけ)で、あまり意味がありません。
あえて肥料を与えることは少なく、痩せた土地でも育つのです。

そして今回のサツマイモは不作でした。
畑は新たに借りた箇所で、以前の借主が肥料を与えた後だったことが原因と思われます。
調べてみると、やはり残留した養分によってツルぼけすることがあるとか。

反対に里芋は出来が良く豚汁に使ったところ非常に美味しかったです。
お餅のように柔らかく、思わず「ふおぉ……」と声が出るほどでした。

問題は県外にいる姉に送るための野菜が揃わないことです。
出来が良いものを送りたいのですが、これが何とも不ぞろいで格好悪い。
味に問題はなくても、小さいものばかりでは料理に使いづらかったりします。

食べて美味しく、使って便利という品質は思った以上に難しい。
スーパーで当たり前のように並んでいる野菜は、実はとんでもなく凄いものだと感じます。
  1. 2014/10/28(火) 23:59:59|
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頭の体操

実家にあった「なぞなぞ絵本」を母と妹の前で読みました。
私の実家は来客が多く、小さな子供を連れて会いに来る人もいるので、
大人同士の会話に暇を持て余さないよう、こうした本も置いてあるのです。

お前は孫を連れて会いに行く年齢だろって? いちいちうるさいな。

ともかく右ページの文章が平仮名で書かれており、左には挿絵が描かれているのですが、
挿絵の内容は正解そのものなので、それを見ると答えが分かってしまいます。
なぞなぞを通し「絵で言葉を憶える」のを目的として作られた絵本という感じ。

そのため平仮名を漢字に変換しつつ読もうとすると───

「次は?」
「えーと、『私が鼻にまたがって───』……いや違う、鼻じゃなくて花か?」
「あっはっは、鼻にまたがるっておかしいでしょ」
「だって平仮名だもん、一見しても分からないんだよ」

───こういうことになります。
左ページを隠したまま読みつつ、なぞなぞの答えは何だったかというと……

「『───おばさんの耳につかまると、ほらほら、本が読めるでしょ』だって」
「んん? 何かしらね」
「んー、答えは眼鏡か? あぁ、眼鏡で正解だった」
「なるほど」
「……じゃあ鼻で合ってるじゃん!」

なぞなぞって、いい大人が真面目にやると笑いがなくていけません。
  1. 2014/10/27(月) 23:24:37|
  2. 日常
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いつか誰かが

昼間の車内が30℃を超えていて、さすがに温度計が壊れたのではと疑っています。
たしかに暑いとは思いましたが……もうすぐ11月なのに。

今日は少し変わったものを探しに行っていました。
今となっては他のものに吸収され取って代わられた"機器"。

何かと云うとラジカセです。
私は使うことがありませんが、母の世代では最も扱い慣れた代物ですから、
大昔に録った音楽や放送を聴こうとするとテープでしか残っていなかったりします。

ちょっと前まではリサイクルショップでも見ることは出来たのですが、
さてこうして外へ繰り出してみると思った以上に姿を見ません。
そんな中で更に「そうだった」と思うような単語が聞けました。

「テープは大丈夫だったけどMD機能はテストしてないねぇ」

MD(ミニディスク)。
私はこれに一度も触れることなく通り過ぎていますし、話題にするのも初めてです。
その音質や性能がどのようなものであったかを友人に知る者が居るかどうか。

唯一、ずっと前の弟が自家用車に標準装備だったものを使っていた気もしますが、
私が使うことはないままですし、本人も今では存在を忘れていることでしょう。
同じように取って代わられたものでありながら、こういう違いがあります。

今日の私が探したように彼を探す人が今後に現れるとして、
その時にどれくらい実機が残っているかを考えてしまうのでした。
  1. 2014/10/26(日) 23:59:59|
  2. 日常
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一回分なら何とかなる

一人で畑を耕した母が消耗し寝込んでしまったため、私が昼食を作りました。
牛丼に使える牛肉1パック、卵、ネギ、玉ネギ、ゴボウ、糸こんにゃく……。
豚汁を作りたいけど豚肉がない。

しかし母は「肉より野菜を食わせろ」の人だから豚肉なしのまま味噌汁作り。
ご飯もなかったので研ぐことから始め、一時間ちょっと掛かりました。

調理の音で母が目覚めないようにする方が大変でしたが、
幸い本人の高いびきで聞こえなかったようです。
牛丼、味噌汁、あと飲み物を揃えます。

「ご飯だよ~」
「あぁぁ……起きたら食事が用意されてるのって最高ね」
「だろうね」

一日の食事を指して"お三度"などと呼んだりします。
子供の頃の私は、弟妹にホットケーキやお好み焼きを作ったりしました。

「美味しい」
「味噌汁が薄い気がする……」
「丁度いいわよ」

とくに料理が好きというわけではありませんが、向いているのでしょうか。
  1. 2014/10/25(土) 23:59:59|
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非現実の牢獄

昼寝の最中、「数年前にタイムスリップする」という手の込んだ夢を見ました。
こうした空想めいた内容は意外と夢の中ですら扱われずにいたのですが、
何が原因だったのか、夢で母の仕事を手伝っていた私は自家用車の中に居ます。

車内での仕事という点からして既に家族の誰もが該当しません。
車窓にはカーテンがあり、ガラスの向こうは引っ越す前の実家から見える景色です。
それは古ぼけた写真のような色合いで、演出が凝っているのも"創作"を感じさせます。

周囲の変化に驚いた私は、とにかく「今は何年何月か」と知り合いに尋ねました。
横書きに刷られている新聞を見せられ、そこには2006年の四月とあります。
途端に、私は慄然としました。

「時間をさかのぼる」という事態は、色々な受け取り方があると思います。
大きな災害を避けるとか、これから起きることを利用して大金を手にするとか、
私の場合なら亡き父に会って話すことも可能になるわけです。

ところが私は「過去数年の出来事を誰とも共有できない」という点に深い孤独を感じ、
ふらふらと見覚えのある路地まで歩くと、何かを考えることすら億劫になっていました。

そして目覚めて冷静に考え「時間をさかのぼる夢」には種類があると気付きました。
一つは過去の環境に居ながらも許容できている夢。
もう一つは今回のように過去の環境へ放り出され、それを許容できない夢。

たとえば前者は、自分が学生時代に戻って教室にいる時などがそれです。
周囲には紛れもない当時の同級生が居るのに、自分の記憶は現在のまま。
あまつさえ授業を受けるつもりで、忘れ物の心配すらしています。

ところが後者は「現在ではない」と認識した上で絶望に囚われました。
夢には、内容を問わず都合よく納得させる力があるということでしょう。
架空の環境に深く落胆させられるとは、その絶対的な強制力に驚くばかりです。

一つ気になったのは、「これは夢だ」と気付いて目覚めることは過去に何度もあったのに、
「ここは現在ではない」と気付くことが、"夢から覚めるための条件"になっていないことです。
あるいは、その条件すら夢をみるたび自由に書き換えられているのか。

脳の中にある複数の錠前を、おもしろ半分に弄くられた気分でした。
  1. 2014/10/24(金) 21:43:02|
  2. 日常
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彼らの世界

お昼過ぎ、近所に住む三児のママさんと話しました。
幼稚園児の長男が園内で騒いだと聞かされ、ちょっと落ち込んでいる様子。

たまに訪れる姑には理解がある反面、なぜか自分の母親は全く関心がなく、
子育てについて実の親に相談できないことを苦しいと感じているようです。
全体的に「誰かに話して姿勢を正したい」という印象。

私は独身ですから、子育てについての苦労や自己矛盾に向き合うことがありません。
まだパタパタ走り回るだけの長男を「落ち着きがないです」と評された親の心持ちとは。

「───それで、この子は大丈夫だろうか、むしろ私がストレスの原因かなって」
「子供には全てが新鮮だから、ああやって遊んでても……ほらもう別のことが気になった」
「うん」

「子供には、僕らが見てる普通の景色すら『普通だ』って評価するための経験がないよ。
 もし数秒ごとに新しい建物が現れたり、変な生き物が歩くようなことが起きたら、
 大人の僕らだって、そんな事態の一つ一つに合理的な説明を欲しがる」
「うん……?」

「子供は関心があるものを理解したくて、その全てに触れたがるんだと思うよ。
 『これは、こういうものなんだ』っていう答えが欲しくて接触しようとする。
 逆に何でもないものなら『別に何でもないことなんだ』って云う答えが欲しい」
「ふ~む」
「刺激に溢れた環境だから、見るもの全て手当たり次第で忙しいんじゃないかな」

そうこうしていると当の長男が私のところへ駆け寄ってきて、
私があげた小さな電車の玩具を手の中に隠して「どっちにある?!」と聞いてきます。
手の膨らみから判断し───

「こっちだ」
「はいってない!」
「ウソだ絶対ある、こちょこちょ……」
「きゃははははは」

───くすぐって手を解かせてしまうと、はしゃいで走り去ります。
これが10回くらい繰り返され、しかしポケットに隠す知恵もあるから侮れない。

「こら! 石ころは持ってきちゃダメ! ……ごめんね、いつもあんな感じ」
「もしかして最近じっくり接する機会が減ってる?」
「それは凄く減ってる、下が生まれてからは構ってられなくて」
「悪さを注意して、また悪さをしたから注意───の繰り返し」
「そうそう」

「子供は注意しても基本的には聞かないからね」
「本当そう、私の云いかたが悪いのかなって、それも気になって」
「『聞かなかった結果どうなるのか』を知りたくて繰り返すのかも」
「え? え?」

「怒鳴られて怖かったとか、玩具が壊れて遊べなくなる───のが結果。
 本人が期待した結果でなくても、そこを線引きして答えにするのも教育じゃないかな」
「うーむ……」

やめなさい───ではなく、"やめないとこうなる"。
だからと云って怪我をされても困るし、毎日のように怒号が飛び交うのも避けたいはず。
答えと愛情を欲する小さな生命の育っていく不安が、私に分かろうはずもないけれど。

あっと云う間に一時間くらい経ってしまいました。

「ふあー! ありがとうございました、なんか凄い相談に……」
「いやいや、ほらママが帰るって云ってるぞ、そっちじゃない」
「でんしゃ! でんしゃ!」
「電車の玩具はママが持ってるよ、さぁ帰るよ~」

役に立てたかどうかは別にして、笑顔で帰っていったので良しとします。
  1. 2014/10/23(木) 20:59:16|
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13年前までは

今日の夕食は妹の奢りでお寿司でした。
もとは退社後に買い物をするため、電話で車の運転を頼まれただけですが───

「もしもし」
「起きてた……?」
「起きてたよ、買い物に行きたいのか?」
「え? そうだけど、云わなくても用事が買い物って分かるんだ……」
「そりゃ分かる」

───私は夕方に眠っている時があって妹も気を使うそうなので、
最近は用事が何であるかを聞く前に、声色で大体を察するよう努めています。

運転できる私にとっては「誰かに役立てないと意味がない」と考えるだけです。
しかし頼む側からすれば都合を尋ねる必要があり、そうそう軽々しくは頼めない。
それは私とて同じことなのに、自分が頼まれる側になると忘れてしまうようです。

「それで、その人は『お前の部署に置いてあるはずだ』って文句を云ってくるの」
「あぁ居るよな、上に確認すりゃ済むのに下の人間を質問攻めにするのは」
「そうそう」
「一発解決を避けてる時点で上司に会いたくないだけってのが分かる」

車内では妹が会社での出来事を愚痴ります。
私が会社勤めをしていた頃とは職種が異なるものの、環境は似たり寄ったり。

「そう、それで結局は、なんか勝ったような顔して上司のところに行っちゃった」
「あーあー、そいつが無駄にした時間は他の人間が補ってるってのに」
「もう本当に……」
「男同士ならケンカになってるな」

妹は職場で責任が増える一方、それに反して云いたいことは減るばかり。
これも、今となっては上司や同僚の居ない私が忘れがちな「普通のこと」です。

人の苦労を軽んじない程度には、"ないもの"を気に留めておきたいですね。

[私信]
>>Mさん
"6"ですね、仰せのままに。
そして風邪を引かないようにします。
  1. 2014/10/22(水) 23:13:06|
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