「あぁ、ダメだわ思い出せない」
「何?」
「だから午前中のテレビで流れてた歌よ、すごく良い歌だったの」
昼頃にそう云っていた母が、23時を過ぎてもブツブツ呟いていました。
「あんたインターネットで調べられない? 歌詞とかで……」
「どんな?」
「え~と……」
しかし母が思い出せた歌詞は、どの歌でも当てはまりそうな言葉でした。
その歌独自の云い回しではないため、いまいち絞り込みが出来ないのです。
知り合いとの話題に出したところ、その人も思い出せなかったのだとか。
今日一日ずっと頭の中でモヤモヤしていた様子。
歌詞も一部、旋律も一部、そして昭和の歌。
「情報が少なすぎるなぁ」
「ふーふー、ふーふーんって曲で……」
「ちょっと待って、そこの歌詞って『泣きたくなるほど』?」
「そう! それよ! 知ってるの?!」
「曲名は知らないけど、親父が聴いてたのを憶えてる」
「やったわー!」
まだCDも出回っていない子供の頃、父がカセットで繰り返し聞いていた曲でした。
歌詞情報を追加して検索すると、あっと云う間に曲名と歌手が判明。
「むしろ思い出せないほうが意外だよ、親父はよく聴いてたじゃん」
「お父さんが聴かせたがってたのかしら……」
結果は、箱崎晋一郎氏の「抱擁」でした。
- 2014/06/13(金) 23:59:12|
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