第27緑化地区

フリーイラストレーター七片藍のブログ/第27緑化地区

聖域

母の買い物に車を出して帰宅した後、再び母を連れて車を駆りました。
思い立ったように「あの山に行ってみようかしら」と云うので、
連休の内に繰り出してみることにしたのです。

その山は、両親にとって思い出深い場所でした。
正確には山中にある一本の木にまつわる話が元です。
詳しく書くことはしませんが、以前から何度か聞いていました。

父の死後、その後姿を追っている節のある母の頼みだったので、
今日は気が済むまで付き合うつもりでした。

ところが、思い出となる出来事は私が生まれる前の話で、
数十年も前となれば木々の隆盛も一本だけに留まりません。
果たして「そこ」に辿り付けたところで判別できるかどうか。

そして山中に建設された工場によって立ち入り禁止地区も増え、
この日、残念ながら目的の場所を目にすることは出来ませんでした。

唯一の方法は麓(ふもと)で駐車して山中を数キロ歩くことだけで、
色々と用事を済ませた昼過ぎには、ちっょと辛い距離です。
ぐるりと山を一周して帰ることに。

「家族に死なれると思い出が方々に染み付き、
 そこが残された家族にとって神聖な場所となる」

───と云うのは、ある映画に出て来る台詞。
あの木がそびえ立つ場所も、数ある内の一つです。

人が立ち入るのは年に数度かと思うほどに木々が乱立し、
その中に両親の思い出を抱いたままたたずむ一本の木は、
今どれくらいの高さにまで成長しているのでしょう。

母の目は、どこか遠くを見ている感じでした。
  1. 2013/05/03(金) 22:56:15|
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