第27緑化地区

フリーイラストレーター七片藍のブログ/第27緑化地区

地道

本業での案件にて、同じ描き込みが数十箇所も必要だと分かり、
当初に予定していた〆切では危ないと判断し相談することとなりました。

仕事上、絵は手描き(アナログ)とCG(デジタル)に大別されますが、
これは「実物の画材や完成品という概念がない」という点においてのみで、
CGならば全てがボタン1つかと云うと、もちろんそうではありません。

「実物の画材を使用しないが作業そのものは手描きと同じ」とも表現でき、
ある程度を簡便化、または負担の軽減が可能なものの、
せかせか描くこと自体はアナログと変わらなかったりします。

よって同じようなものが幾つも続く作業は大変で、地味にキツい工程です。

「───というわけで、さらっと数えただけでも60個くらいでした」
「その点については当方も見落としておりました……再検討します」

結果〆切が延びて助かりましたが……。

CGは同じものを量産するのが得意であるものの、
絵の中であろうと全くの同条件で存在するものは僅かです。
異なる条件で同じものを描く必要があれば、簡便化が利かなくなります。

すると結局は手描きと同じ次元に戻るわけです。
合理化できることは無くもないのですが、不可逆化しやすい。

ブツブツ云ってないで、やるしかないか。

  1. 2019/07/16(火) 23:59:00|
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九を聞いて十を知る

今日も仕事だけです。
毎度のことですが、色々と分かって来るのは依頼の終盤くらい。
何日もかけて描き上げる割に、"要点"が完成間近に集中している感じです。

いつもいつも、一体これは何なのでしょう。
余計なものが削げ落ちて感性が剥き出しになり、じかに理解するのか。
汚れたエアフィルターが外れて、新鮮な空気で頭がスッキリする感じ?

それが積み重なって次に繋がるのだから無駄ではないのでしょうが、
なんと云うか、こう、取っ掛かりが最初のほうにあってもいいじゃない?

……なんて、自分の作品に情けを乞い始めたら最後なんだろうな。

  1. 2019/05/23(木) 23:59:00|
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歩く大福

母が地元のイベントに参加したところ何人かの知人に会い、
一昨日の記事で書いた「夢に出てきた同級生」の親御さんに会ったとか。
奇妙な偶然があるものです。

ところで、私の記録によれば昨年から一年以上も寝酒を飲まずにいます。
大抵はビール1本程度でしたし、体調を崩すほどの常飲でもなく、
まして医者に断酒を勧められていたわけでもありません。

とにかく"休肝日"の長い飲み方で、3~4日ほど寝酒が続いた後、
ぱったり2・3週間くらいは飲まずに過ごすのが私の飲み方。
独り暮らしの寝酒だから当然ながら独り酒。

寝つきの悪い私が寝酒を飲むのは「何も考えずに眠りたい時」だけでしたが、
ある方法を思いついて実践した結果、いつの間にか眠れるようになりました。

その方法とは、結末を用意した空想の反復です。

専用の短い"お話"を作り、眠る前に思い出して繰り返すだけ。
結末が決まっている話なので、始まりも終わりも何もかも同じ。

重要なのは、話を改変しないこと。
新たに何か考え始めてしまったら、また冒頭に戻します。
ようするに、読み飽きた話で頭をウンザリさせるわけです。

ちなみにどのような話かと云うと───

・大福に目と口だけを描いたような小さな生き物が森から出て来ました。
 彼は奴隷で、人間に冬場の食べ物を分けてもらうよう仲間に命じられ、
 民家の庭に迷い込んだところ、家の主である老人に出会いました。

 人間は彼らを踏み潰せるほどに大きな体であり、天敵でした。
 しかし仲間の居る巣に逃げ戻れば、彼は仲間に何日もぶたれます。

 彼は命令どおりに食べ物を分けてもらおうと事情を話しましたが、
 老人は「もう巣に戻ってはいけないよ」と云って彼を保護したので、
 その後は幸せに過ごしました。

───これだけ。

面白くない、でも面白さは求めていません。
当たり前ですが上記の文章を頭の中で暗誦するわけではなく、
あくまでシーンを空想して、終わったら繰り返すだけです。

ここ1年くらい、ずっとこの空想を繰り返しています。
脳が「あぁ、またか」と思って休む体勢に入りやすくなるのか、
びっくりするくらい寝つきがいい。

考えを掘り下げないことが安眠への近道。
脳が"考えること"を止めてくれないのが苦痛だったのですが、
考えることを単純化することで対策できました。

今日も彼は老人に出会います。

  1. 2019/05/19(日) 23:59:00|
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姿なきもの

畑で10分程度の作業を済ませ、お昼前に洗濯物も取り込み、
その十数分後に激しい雨……フフフ、気持ちがいいくらいに抜かりがない。
さぁもっと降れ、明日は休みなんだ、どうせ仕事なんだけど。

その仕事(本業)ですが、久し振りに怪物系の依頼が来ています。
このところ「趣味では描かない系統」が主題の依頼が続いたせいか、
久々の怪物は、想像を加速させる音楽の種類を変えさせ、私を攻撃的にさせます。

とは云っても「言葉づかいや車の運転が荒っぽくなる」という風なものではなく、
爪や牙、翼や筋肉、実在しない体躯といったものへの"執着"が強くなるのです。
視線が液晶ディスプレイを貫いて向こう側まで届く感じ。

怪物は、(実在すれば)その殆どが有害な存在と云って差し支えないでしょう。
その容貌に慄然とし、容易く人間を薙ぎ倒し、文明社会のか弱い営みを脅かす。

「居ないと分かっていても無用な不安を抱かせる」という要素をはらむので、
それのみに注目すれば悪趣味な創作物であることは否定できません。
小学生の時、私の絵を見て「あんた自殺するわ」と告げた女子が居たなぁ。

ただ、人が暗闇や不可解なものに恐怖する時、
それが漠然とした不安の塊であるよりかは、何か少しでも輪郭が見えたり、
望めば触れて確かめられる実在であるほうが、より御しやすいでしょう。

「居ないと分かっているから安心できる」という意味では優しい存在。

そんな彼らに"姿を与える"のが、今の仕事であると考えています。
そこに私が納得できる形の、彼らなりの誇らしさがあれば尚いい。

人間の一つ上に君臨するものと云えば自然災害が挙げられそうですが、
彼らは明確な意思をもって自ら有害たらんとし、それを省みることなどしない。

人間も同じようなものですが、そこに倫理や道徳といった感傷を持たず、
むしろ己の牙や爪、隆々たる筋骨のように破壊を一筋に求めた攻撃性は、
人間の代わりに憎まれ役を引き受けています。

そして彼らは憎まれることすら歯牙にもかけはしない。
人間の中にある矛盾を嘲笑うからこそ、彼らを愛しく感じるのではないか。

そう考えると、姿を与えずにはいられない。
私の幼稚な技術で出来ることは限られますが、彼らの遊び相手は少ないから、
ままごとのような落描きで「お前は物好きな阿呆だな」と笑われたい。

一生やめられそうにありません。

  1. 2019/05/14(火) 00:00:00|
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無理のない無理

ここしばらく、本業と副業の間に引越しの準備や畑を挟んでいましたが、
今月から来月半ばにかけて本業が忙しくなっており、全く余裕がない。
全体的に、やることが過密状態にあります。

そのため引越し準備は「ほどほど」にする予定です。
幸い畑も大掛かりな用地確保を終えたので、仕事に集中できそう。

そしてきっちり眠らないと集中力が維持できない。
この本業も十数年になりますが───

「やめたくなったことはあるか?」

───と聞かれれば、「何度かある」と返さざるを得ません。
好きなことを仕事にするのは、好きなことに義務や責任を作ること。
同時に、好きなことが「嫌いになる原因」をも作ってしまいます。

好きなことだから続けられるとは限らず、
好きなことだからと云って、辞めたくならないとも限らない。

そうした「色々なことが重なったパンク状態」の時に、
自分が途方もない勘違いをしているのではないかと考えます。

絵を仕事にする上で「絵が描ける」という技能は必要最低限の"資格"です。
その先々で───

・仕事上で生じる様々なトラブルに対処する
・描くために必要なものを判断し集める
・依頼内容を正確に把握し再現する
・期日まで仕上げる
・技術を向上させる

───等々、幾つかセットになったものを毎度消化せねばなりません。
描ければ仕事になるわけではないし、仕事なら何でも描けるわけではない。
自分の弱点を知っている人ほど無鉄砲なことは避けるものです。

さりとて私は独学ですから、世間が良しとする教育や学歴も持たず、
実績はゼロから作り、必要に応じて消化してきただけの人間です。
その度にガムシャラな仕事で塗りつぶし、きっと今回も同じでしょう。

弱気になるのは弱い時、強気でいられるのは強い時。
しかし歳を重ねれば体力と気力も衰える一方ですから、
いつまでも無敵な気分でおらず、きちんと調整する必要があります。

そう云えば、小学生の時に体育でマラソンがあった時、
たまたま自分が先頭になり、皆が私の後ろに回ろうとするため、
仕方なく先頭を維持するしかなく、初っ端でスタミナ切れを起こしたな。

級友には、その後しばらく散々バカにされました。
別に先頭になりたかったわけではなく、邪魔にならないよう引き離しただけ。
勝手に追い抜いてくれると思いきや、ぴったり後ろについて離れない。

今の私にとっての仕事は、あの時の彼らみたいなものです。
スタミナ切れを起こさない走り方を心がけねばなりません。
後ろから突き上げを食らってから動くくらいが丁度いいかもしれない。

……催促されてから仕事をするのって嫌いなんだけどな。

  1. 2019/05/08(水) 23:59:00|
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這い虫の意地

仕事(本業)が一つのシリーズを完了しました。
諸般の事情で作品そのものを掲載することは出来ませんが、
昨年から一通りを任され、かっちり描き遂げられて安心しています。

CGでの作画というとパソコンのマシンパワーがものを云いそうですが、
実際には、地味に省略が利かない行程や手作業のほうが良い点もあり、
パソコン環境を変えるより、自分を変えたほうが良いことも多いです。

そのためには「自分が何を苦手としているか」に気づく必要があります。
時間ばかり浪費したり、厄介で中々手をつけなかったりする行程や、
以前から改善するつもりが手クセで試していなかった行程など。

サボっているつもりはなくとも、忙しいと冒険する気もなくなります。
そこを少し、ほんの少しでいいから次に繋がる何かをする。
それを取っ掛かりにして、次の仕事で再び少し手をつける。

3回目くらいで本腰を入れて実装してみる。
すると、作業環境の良し悪しよりも自分の処理に問題があると分かります。
一人での仕事は"手本がない"ことでもあるので、気づきにくいわけですね。

自分の技術が足らないから上手く行かないのか。
あるいは手段が良くないから上手く行かないのか。
はたまた数をこなしていないから上手く行かないのか。

独学ゆえの行き詰まりには、こういう落とし穴が無数にあります。
この仕事も14年になるけれど、道の始まりで這っているだけのような気もする。

……とっくに引き返せなくなっているし、死ぬまでやるだけだ。

  1. 2019/04/20(土) 23:59:00|
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振り子

なんとか本業を仕上げられました。
〆切前になると集中力が向上し、長いこと作業に没頭していられますが、
時間ギリギリより少し早く仕上がるので、いつも終盤に余裕があります。

これを「追い詰められないと全力が出せない」と考えていましたが、
十数年を続けてみて、なんとなく違うような気がしてきました。

一枚の作品を仕上げるため、数日に分けて作業を進めるにあたり、
「**日までに**を済ませる」といった具合に大まかな目標を立て、
それは作業が始まってから完成を終点として続きます。

これが計画通りに済まないことは問題ですが、
あくまで大まかな目標であり、読めないことは多くあるため、
終盤になって先が見えて来ると「大まか」でなくなるわけですね。

右に押すと右に傾きすぎるから、左にも押してみる。
そうすると左に傾きすぎるから、少しだけ左に押す力を弱める。
何度か調整して、ようやく上手いこと「良い位置」で止まってくれる。

これまで散々、無計画さや集中力の無さとして自分を責めましたが、
そも一から十までが計画通りに進むことなどありません。
仕上がった作品を検分するのは自分ではないからです。

一見して無闇な素振りも、出来る時にやっておくべきなのかも。

  1. 2018/11/26(月) 23:59:00|
  2. 創作
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より良いものに

結局、〆切の日延べをお願いしました。
朝までに仕上げるつもりでいましたが、指定の一つを描き込むにあたり、
ある段階で「これは無理だ」と判断したことが理由です。

CG(コンピューターグラフィックス)を描くにあたってはレイヤーの概念があり、
レイヤーとは直訳すると"層(階層)"となり、まさしくその通りです。
重ねたセロハンのようなものでしょうか。

例えば10人の人間が集まっている一枚の写真において、
何人かは手前にいる人の後ろに立ち、顔や体の一部しか見えていない状態。
この「手前の人が後ろの人(またはその一部)を隠す」というのも階層の概念です。

これをレイヤーでは「手前の人が上/後ろの人が下」などと置き換えられます。
手前の人を「レイヤーA」、後ろの人を「レイヤーB」とに分けた場合、
ふたつを入れ替えることで"前後"の逆転も可能なわけですね。

さてそれを絵で描く場合、隠れた部分まで描くかどうかは内容にもよりますが、
予めレイヤーで分離してあれば、位置や色合いを個別に扱うことができます。
誤ってレイヤーAを削除しても、レイヤーBは無事───なんてことも。

私の作品は様々な事情で100枚くらいのレイヤーを扱います。
そこまで多くする必要はないのですが、「***の位置を変えて欲しい」とか、
「***の色だけ明るく……」といった注文に対応するための処置です。

今回、一枚の絵の中で扱うもの(個別処理)が多岐に渡ってしまい、
かえって全体処理が施しにくい状態に陥りました。
台所と食器棚を別々の部屋で扱うようなものです。

そうして当初の見込みより時間がかかると分かったのが昨夜の話。
努力ではどうにもならないこともある……時間は24時と決まっています。

ただし、余裕が出来た以上は頑張らないと。
  1. 2017/06/23(金) 23:59:00|
  2. 創作
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あと95個

今日は畑を見回る程度で終了。
数日前にスイカが小さく結実していたのを見ているので、
スイカ大好きの母が今から楽しみにしているようです。

さて、仕事が面倒なことになっているので頑張らねばなりません。
同じ形のものを幾つも描かなくてはならず、これが地味につらい作業です。

具体的には、たとえば人体ならば胸椎(きょうつい)などです。
あんなに複雑な形状で10個以上もあって、どうにかインチキしたくなる。
しかし見る人は見ているし、自分自身でも気になるから描かずにはいられない。

毎回こうして最終的には納得の行くところまで描くことにしています。
ほとほと疲れるし、割に合わないと知りつつも課していることではありますが、
洞窟の行き止まりに何かなくとも、到達すること自体が既に意味を持つからです。

やったことがあるか、労を費やす意味はあったか、ということ。
幾つもある失敗の候補を、一つ除外できるということ。

ああ、やっぱり割に合わないな。
  1. 2017/06/12(月) 23:59:00|
  2. 創作
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限界は破壊するもの

仕事漬けだったので少し畑を見回った程度です。
先日に「苦手な題材」と書いた仕事は最初の壁を越えることが出来ました。

と云うのは、苦手な題材という点のほかに依頼の作画指定文について、
理解の仕方によっては描きかけの作品が全直しになる可能性が生じ、
「どうか認識どおりでありますように」と祈っていた次第なのです。

結果、私が理解したとおりの内容で問題ありませんでした。
(または提出物のほうが良いという判断をされたか)
この中間提出のために4日をかけています。

あとは仕上げまで突っ走るだけ……もう一踏ん張りなんじゃよ。
  1. 2017/06/09(金) 23:59:00|
  2. 創作
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七片 藍

Author:七片 藍
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