第27緑化地区

フリーイラストレーター七片藍のブログ/第27緑化地区

もったいない話

(今回は長話)

十日ばかり前、知り合いから「いい話だから報せたかった」と電話がありました。
この人は、過去に刈払機ガソリン携行缶をポンと譲ってくださったり、
それでいて私を気に入ってくださる70歳を過ぎた人生の先輩たる方です。

話と云うのは、親族が所有する農地を借りられるというもの。
大体の場所は知っていたので母と下見に行くと───

「ここしかないと思う」
「ほかは借り手が居るみたいだし……でも大変よぉ、これは」

───草ぼうぼうで、数年は放置していたであろう荒れ地でしたが、
その後に本人と待ち合わせをして紹介されたのは別の用地でした。

「あっちだと思って」
「俺があんなの勧めるかいな」
「ですよね、そんなわけないとは思いつつも」

きちんと手入れをされていたので、既に借り手が居ると思い込んだのです。

「お袋さんにも云ったが、まず最初に知らせようと思ってな」
「恐縮です。 魅力的だ……これ絶対に面白い」
「やっぱり、あんたなら俺が勧める理由が分かるよな」

現在の我が家は、農協の菜園で4ヶ所の用地を借りています。
今回の紹介は、菜園の面積と比して3ヶ所分くらいに相当する面積。
借り賃としても3ヶ所分より安く、決して悪い話ではありません。

何より、こなれた土がいい。
我が家の用地は、過去には(おそらく半世紀ほど前まで)家が建っており、
いまだ鉢や瓦といった陶器の破片、大小の石がゴロゴロ発掘されます。

これに鍬(くわ)やシャベルを弾かれること数知れず。
今更ながら「野菜を育てるための"まともな用地"」とは何たるか、
その魅力をもって思い知らされるにあたり、飛びつきたい話でした。

案としては菜園の用地を1ヶ所だけ残して他は解約し、
今回の新たな用地を主要な畑として進めていくというもの。

しかし問題が2つあり、まず水場(用水路)が遠いこと。
今一つは、その用地一つで数えるため「部分的な解約」が出来ないことです。

前者は道路の向かいまで水を汲みに行く必要があり、母の安全が心配。
そして後者は、今後の母が体力低下などを理由に用地を縮小しづらくなる点。
菜園では何度か用地の返却もしており拡縮の融通が利きました。

"1ヶ所だけ残して"としたのは、そうした点を考慮してのことです。
じゃんじゃん水やりが必要な野菜は菜園で、そのほかは新たな用地で……。

その日は母と再び相談するとして保留になったものの、
本日になり思いがけず声を掛けられました。

「よぉ、どうだぁ、キャンセルか?」
「えっ! あー……うぅ……」

断るにしても断りづらい。
この人が、どんな気持ちで「最初に知らせよう」と考えたか。
さらに決して無理強いしなかったところが、より私を口籠らせます。

「実は、他に名乗りを上げた人がおってなー、親戚の駐車場の借主だ」

この一言に、少しホッとしてしまった自分を恥じました。
心配な点はあるものの、それは対処して解決できる程度ではあり、
一つ返事で借りてしまいたいほど魅力的な用地だったのですから。

「その、すみません、お返事できてなくて」
「いいんだ、いいんだ、分かる分かる、その菜園だけでも大変だわ」
「本当に、せっかくの紹介なのに」
「いいっていいって、無理はしちゃいかん、タイミングが悪かったわなー」

紹介してもらえただけでも、私には光栄なことでした。
それゆえ厚意に応えられないことが残念でなりません。

その体面というわけではないものの、今日は用地の半分くらいを耕作しました。
せめて断る理由の一つとなった現在の菜園を、みっともない姿にしたくない。
ここですら満足に回転させられない時がある。

今の我が家には、まだ瓦礫が残る菜園が分相応と心得ます。

  1. 2020/09/05(土) 17:26:00|
  2. 菜園
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暑さの利用

このところ畑へ行く機会が減っています。
私が副業へ出ている時間帯くらいに水やりをするのが良く、
この炎天下(真昼間)での水やりは根が蒸されてしまうのです。

一方で同じ菜園利用者である知り合いが体調を崩して久しく、
用地が確保されていながら全く畑へ顔を出せない状態が続き、
お世話になっているため我が家が代わって手入れをしています。

しばらく我が家の用地だけを手入れしていたため、
知り合いの用地は草ぼうぼうとなったため遠回しに苦情が立ち、
昨日と今日、作物がない用地のみ黒マルチで覆うことにしました。

黒マルチとは、薄く真っ黒いビニールシートです。
この気温でシート下は高温になるため雑草を根絶やしにでき、
病原菌や害虫を蒸し焼きにして土壌改良する目的でも使われます。

───が、今回は防草シートとして用いました。
殆どが畝(うね)を立てていない手付かずの用地なので、
涼しくなって耕作できるようになったら剥がす予定です。

それまでに管理機のキャブレターを掃除しないとなぁ。

  1. 2020/08/16(日) 23:59:00|
  2. 菜園
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祈る気持ちで

雨の中でしたが、この日は予定になかったものの少し畑で作業をしました。
今年も(2年連続で失敗している)隼人瓜に挑戦した結果、
二つある苗の一つが根付いたくれたので"やぐら"を組んだのです。

隼人瓜は別名「千成瓜」。
千は誇張ですが、一つの苗から100個ほどの収穫が見込めます。
しかし展開するツルも長く広範囲で、放置すると地面を覆うほど。

これでは、ほかの野菜が光合成を妨げられてしまいます。
やぐらを組んでツルを持ち上げれば結実後に収穫しやすく、
隼人瓜には必要な処置ということです。

今の内から来年の心配なぞしたくはありませんが、
隼人瓜には寒さが大敵で、霜が降りる頃には全滅します。
根元に籾殻を積むなどすれば、なんとか越冬できるのです。

ただし、それも限度がありました。
数年前の地元は珍しく籾殻でも対抗できないほど寒さが深まり、
やむなく翌年に新しい苗を買って……2年連続の失敗。

今年こそは、お願いします。

  1. 2020/07/10(金) 23:59:00|
  2. 菜園
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取らぬ野菜の

予定にはなかったものの畑へ行き、ジャガイモの殆どを収穫することに。
本来は梅雨入り前に済ませないと雨水で必要以上の多湿となるため、
病気などで芋が腐ってしまうのですが……忙しくて手が回りませんでした。

ついでにシシトウとピーマン、ナスを支柱に固定します。
雨風に晒されると株が疲れてしまい、倒れたり折れたりするのです。

上手く続けて固定できると、ナスは株が大きく成長します。
2メートル近くまで育った株から、一日に10本以上も収穫出来たり。
……という様子を、古参の例で見ているため真似したい。

今年はどうなるじゃろか。

  1. 2020/07/02(木) 23:59:00|
  2. 菜園
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自由

ブログ化して十年になりました。
あれれ……もうそんなに経つのか。
でも書いていない時期もあるし、あと半年くらい経てば完全に十年かな。

出先の青果コーナーでキャベツを買おうとしたところ、品切れ。
店主に話を聞いたところ値上がりしているのだとか。

今期は菜園の用地を拡張しましたが、これには二つ目の理由があります。

もともと契約している用地は3ヵ所。
しかし、その全てで野菜を栽培できるかと云うと……さにあらず。

と云うのは、無料で調達できる籾殻にしろ、色々な資材や農具にしろ、
その保管場所も菜園内であるため、そこは用地として利用できません。
便利になる反面、肝心の野菜を作る用地を狭めてしまうのです。

よって、まっさらな用地は「何でも植えられる」。
あれこれ配置を考える必要がなく、贅沢に使えるのが魅力なのです。

これまでの変遷は───

・1ヶ所(初期)
・2ヶ所(私も手伝い始める)
・3ヶ所(私の趣味になる)
・6ヶ所(古参の3ヵ所を引き継ぐ)
・4ヶ所(6ヶ所の維持は無理なので2つ減らす)
・3ヶ所(契約金額の関係で1つ減らす)
・4ヶ所(今期)

───こんな感じ。
なんだかんだと云って、4ヶ所が限界であり納得の行く広さらしいです。

もう少し畑に出られる機会を増やしたいけど、難しいのかな。

  1. 2020/05/06(水) 23:59:00|
  2. 菜園
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過負荷

本業が忙しい中、用事のついでに夏場の苗を買っておきました。
ピーマン、シシトウ、ナス、キュウリ、トマト、カボチャ、スイカ。
契約地を一つ追加したので、用地には余裕があり手狭さは感じません。

私は作業時間を確保できないので母に任せることになったものの、
「ほどほどに」と云っておいたのに、頑張りすぎてダウン。
こういうところ、私と母は酷く似ています。

あと少し頑張ることで現状を変えられるなら───。
そう思うと力が宿り、食欲が失せ、眠気が飛び、疲労を感じなくなる。
面白くもない作業に楽しさが生まれ、むしろ好きにさえなる。

当然ながら、そうして増幅された身体機能は長続きしませんし、
一旦の完了を挟んだりすると、どっと反動が押し寄せて動けない。
これは(私に云わせれば)親譲りなのです。

そのため寝込んだ母を不用意に悪く云いたくもない……のですが、
このご時世、「ちょっと寝込んでる」などと誰かに話そうものなら、
無用な警戒を生むことにもなり、いちいち説明が面倒くさい。

新型コロナ警戒が喫緊の問題となる前にスポーツドリンクを買いだめし、
仕事場に用意しておいたので、とりあえず様子を見る。

少し自重してもらおう。

  1. 2020/04/29(水) 23:59:00|
  2. 菜園
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ところ変われば名も変わる

先週、副業の現場にてブラジル人労働者の方にビーツをお裾分けしました。
昨年にも渡していますが、野菜は毎年のことなので「また渡します」とし、
一年が経ち、現場を去ることがなかったので再び渡すことに。

「その日のうちに食べちゃったよ! スライスして」
「形が悪かったから、味もどうかと思うけど」
「美味しかったけどねぇ?」

ビーツの風味は独特で、日本では好き嫌いが別れそうな野菜です。
また、ブラジルでは(現在の日本では捨ててしまう)変わった野菜も食用で、
それが「日本語だと何という名前なのか分からない」とも。

そうしたものが幾つかあるようなので、一つ調べてみたのですが……。
とある植物の名前を調べる時、それが和名と学名であれば容易いものの、
当地の言語(ここではポルトガル語)となると、ちょっと難しくなる。

そして、それが現地での名称と一致しているかどうかも一つ。
独自の流通名だった場合、こうした調べは雲を掴むようなものです。

とは云え「これって、ただの雑草じゃないの?」という植物が食用で、
むしろスーパーで売られている野菜よりもミネラルが豊富だったりして、
かくも習慣というものは厄介でもあると感じました。

「食えりゃいい」という感覚は、実は限定的だったりしますね。

  1. 2020/04/25(土) 23:59:00|
  2. 菜園
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備えあれば嬉しいな

昨日のうちにビーツの種を蒔いておき、そして本日の雨。
いい感じに芽吹いてくれればと思います。

寒い時期は畑で出来ることにも限界があります。
そうそう雑草も生えないので除草作業も終わるのが早いし、
白菜も一気に収穫する必要がなく、云ってしまえばヒマです。

そのため畑で過ごす時間は短くなります。
こういう時は、次に栽培する野菜のために用地を確保したり、
今のうちに土壌改良を考えたりすることも出来ますが……狭い。

その一方、新型コロナによる影響は日増しに拡大しています。
人の多い場所へ行くことを憚られ、ついては食材の調達も面倒なことに。
さらに今後、その食料を供給する側の営業が困難となる可能性もあります。

こう先が見えなくては一般家庭で出来ることにも限界がある。
さながら冬場の畑と同じですが、その畑では未契約の用地があります。

そんなわけで、一ヶ所だけ用地を拡大することにしました。
差し当たっては一年だけ……しかし既に4月に入っています。

すると地主からは一ヶ月分の契約料を割り引いてもらえました。
この用地は先日の古参利用者が引き払った後であったため、
次なる利用者のために原状回復として耕運機を入れた後です。

つまり何かしら蒔くか植えるには都合がいい状態。
すぐに今後の野菜作りを始められそう。

契約者が減っていたので、地主からも感謝されています(ちょっと不本意)。

  1. 2020/04/18(土) 23:59:00|
  2. 菜園
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新たな主

この日は、先日に耕運機を譲った方の畑へ行きました。
目的は販売所を通してキンカンを買うことでしたが───

「お礼も出来てないし持って行ってよ、それとワケギは要る?」

───直径20cm分の束になったワケギと、
どっさりキンカンをいただいて帰ることになりました。

耕運機は、あれから幾つかご自身で修理を加えたそうです。

・発動機のエンジンオイル交換
・ギアボックスのグリス交換
・アクセルワイヤーの新調
・Vベルト交換

修理前でも問題なく稼動してはいましたが、
仕切り直すことで各部へのダメージを減らすことはもちろん、
一部を大きく回復させることで、隠れていた磨耗が見えたりします。

「アクセルワイヤーは、自転車のやつが丁度よかったから流用したよ」
「え? でも……」
「そう、ワイヤーの"タイコ"は形状が違うよね」

ヤスリで削って形状を合わせたとか。
この人は私以上に知識と経験があり、そして凝り性とお見受けします。

「今年のはじめに『また備中鍬か……』って途方に暮れてたけど、
 いやぁ、もうこいつ無しじゃ考えられないね」

そう云ってもらえると私も嬉しいです。

  1. 2020/04/12(日) 23:59:00|
  2. 菜園
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おし及ばさむ遠きさかひに

副業の現場にて、正社員の小母さんにヤーコンの種芋を差し上げました。
以前から譲る約束をしており、仕込み時期に手渡すつもりだったのです。

この人からは、外回り中に菜園の私を見かけたと声を掛けられ、
自宅のプランターで野菜を育てていると聞いたのが始まりでした。
その後、色々と情報交換をしつつ現在に至ります。

気を良くしたのか、現場では何度も助けていただけました。
その返礼にとヤーコンの種芋を思いついたわけです。

「これ全部が種芋だけど、そのまま埋めてもいいし分けてもいいです」
「これ全部がそうなの?!」
「高めに蔵(くら)を作って、その上に10cmくらいの深さで───」

(中略)

「夏場の畑で採れるキュウリくらい水分がある野菜なので」
「そんなに」
「ちょっとクセがあるけどシャキシャキ」

これは本当に面白い野菜だと思います。
同時期の野菜で云えば、大根や白菜よりも水分が多い。
こんな野菜が寒い時期に収穫できる摩訶不思議さが頼もしい。

ほかにもないかな。

  1. 2020/04/10(金) 23:59:00|
  2. 菜園
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