より良いものに

結局、〆切の日延べをお願いしました。
朝までに仕上げるつもりでいましたが、指定の一つを描き込むにあたり、
ある段階で「これは無理だ」と判断したことが理由です。

CG(コンピューターグラフィックス)を描くにあたってはレイヤーの概念があり、
レイヤーとは直訳すると"層(階層)"となり、まさしくその通りです。
重ねたセロハンのようなものでしょうか。

例えば10人の人間が集まっている一枚の写真において、
何人かは手前にいる人の後ろに立ち、顔や体の一部しか見えていない状態。
この「手前の人が後ろの人(またはその一部)を隠す」というのも階層の概念です。

これをレイヤーでは「手前の人が上/後ろの人が下」などと置き換えられます。
手前の人を「レイヤーA」、後ろの人を「レイヤーB」とに分けた場合、
ふたつを入れ替えることで"前後"の逆転も可能なわけですね。

さてそれを絵で描く場合、隠れた部分まで描くかどうかは内容にもよりますが、
予めレイヤーで分離してあれば、位置や色合いを個別に扱うことができます。
誤ってレイヤーAを削除しても、レイヤーBは無事───なんてことも。

私の作品は様々な事情で100枚くらいのレイヤーを扱います。
そこまで多くする必要はないのですが、「***の位置を変えて欲しい」とか、
「***の色だけ明るく……」といった注文に対応するための処置です。

今回、一枚の絵の中で扱うもの(個別処理)が多岐に渡ってしまい、
かえって全体処理が施しにくい状態に陥りました。
台所と食器棚を別々の部屋で扱うようなものです。

そうして当初の見込みより時間がかかると分かったのが昨夜の話。
努力ではどうにもならないこともある……時間は24時と決まっています。

ただし、余裕が出来た以上は頑張らないと。

描け!

また缶詰です。
これまで仕事をそのものを落としたことはありませんが、
当初の〆切に間に合わない場合は、大体2~3日前に連絡を入れています。

しかし今回は作業量を読み誤ったため過去になくギリギリです。
連絡を入れるにしても〆切は明日。

……な・なぁに、自分なら終わらせるさ……。

まだ足りない

待ちに待った雨も終日とはならず、畑の土にとっては腹七分目。
ただし雨が降ったあとのほうが良い作業もあります。
杭を立てることです。

畑に支柱を立てる時、そのまま土に突き刺しても大抵は倒れてしまいます。
これを避けるには木製の杭を打ち込んでやると良いのですが、
ここ数週間のような晴れ間に立てても、雨が降れば倒れるのです。

これは雨で土が軟らかくなるためで、杭を立てるなら雨が降った後。
軟らかい土に深く打ち込むことで倒れにくい杭となります。
さらに雨が降るとグラつきの隙間に土が入って補強されるのです。

杭が刺さる深さは雨の前後で数十センチの差があります。
1メートルの杭では土が渇いていると3割くらいで止まり、
雨が降った後は4~5割くらいの深さまで。

支柱が必要な夏野菜は、キュウリ、トマト、ナス。
どれも結実した重みで枝が疲れるため、そこを支えるわけですね。

次の雨は数日後か……。

穴の明いたバケツ

母の散歩に付き合った道中、除草作業をしている高齢主婦の方に会い、
道行く先が行き止まりであること、すぐ後ろに畑があることを知らされました。
しかし、ちょっと地形が変わっています。

畑は、町工場の裏手にある空き地のような場所。
私たちが会話している場所は、そこから80cmくらい低い畦道(あぜみち)。
畦道は表通りから緩やかな傾斜で下り、この高低差を作っているようでした。

しかし、もとの地面より高くするには嵩(かさ)を増す必要があります。
空き地に作られた畑の土は砂を多く含んだものでした。

「上手く育たなくてね」
「水はけは良さそうですけど、たしかに難しそう」
「そう、水はけだけはいいの」

土と砂の違いは有機物が含まれるかどうかです。
そして砂は保水力に乏しいため、野菜の根は水を吸い上げにくくなります。

堆肥や残渣を仕込むなり、有機物を含ませて土壌改良を図ることも出来ますが、
もともとの土壌に砂が多すぎるのか、野菜を育てるには厳しい様子。
路面に張り付いたガムのように、ぺったりと盛り上がりのない畝が物語ります。

それでも野菜を育てる意志に曇りはないようです。
ヤーコンやビートの話題を出すと、興味があるとのことでした。
前者については種芋を譲る約束をしています。

年々インフラ整備が進み、大きなマンションが増えつつありますが、
まだまだ畑や水田の多い地元を離れられない理由が分かりました。

こういう人間同士のやり取りも面白いからです。

「いつでも来い!」

ひとまず喫緊の仕事は完了しました。
〆切の二日前で7割が終わっていなかったのは怠慢ではなく、
全体の半分を占める作業に時間が掛かったからです。

私は「**日の**時までに」という依頼に向かって仕事をすると、
大抵は2~3時間の余裕がある状態で作業を終え、今回もそうでした。
小心者は無意識に余裕を作ろうとするのでしょうか。

同様の理由なのか、私は利き手を解放するクセがあります。
咄嗟の挙動に対応するためなのか、これがちょっと面倒くさい。
利き手(右)で玄関の鍵をかけ、鍵は左手に持ち替えてしまうのです。

理由は続けて利き手でドアノブを開けるからなのでしょうが、
この時、鍵も左手のポケットに入れてしまいます。

問題は帰宅した時です。
鍵は右ポケットには入っていませんから、左のポケットから鍵を取り出し、
さらに鍵を右手に持ち替えて開錠する必要があります。

さらに問題なのは荷物を持ち帰った時です。
左手が荷物で塞がっていて、鍵は左ポケットに入っている……。
荷物を下ろしたくないばかりに右手で左をポケットをまさぐることも。

なんてバカバカしい!
そう思って自分が「(大抵は)左手でしかやらないこと」を挙げてみました。

・荷物を持つ
・飲み物を持つ
・受話器を持つ

・雑草を引き抜く(たまに右手も使う)
・荷物がない時に傘を差す
・背中を掻く

───やはり片手間で何かをするため利き手を解放しているような。
雑草を引き抜く時は、利き手に捻り鎌などを持っているためでしょう。

ちょっと入れ替えてみようかな……。

まずはトイレに行く

東の空にオレンジ色の三日月。
明日の15時までに2点を仕上げないといけません。
倒れるなら描き上げてから倒れろの精神。

さぁ頑張るぞう……。

おじさんは仕事で忙しいから、あっちに行ってなさい!

本当に忙しいから、今日はこれだけ。

お腹ぐるぐる

少し畑を見回って、あとは仕事だけの一日でした。
ここしばらくの私を悩ませていた仕事の一つは終わりに近づき、
「自分なら何とかする」と、毎度の自己暗示で消化できることは数多いです。

───が、反動も大きいです。
業務上の懸案事項が完了すると、まず8時間くらいの睡眠が必要で、
その後は半日で数回はトイレに走る等、体が代謝の"おさらい"を始めます。

緊張が「仕事のためだけの体」というものを形作るのでしょうが、
離脱することで後回しになっていたものが巻き返そうとするのです。
しかし25日くらいまでは気が抜けません。

眠ったのに眠い……少し仮眠しようか。

苦痛の結晶

家族で喫茶店へ行きました。
私を含め、家族は各々が微妙に異なる時間帯に仕事をしており、
全員が揃った時は、たまにこうして外で飲食を済ませることがあります。

その中では私が夜間の仕事にあたり、そして自営業でもあるので、
お客への対応や会社の就業時間といった拘束がないことから、
ちぐはぐな都合にも合わせることができるわけです。

ところで───

「もうミルクなしは飲まん」
「兄貴ってそうだっけ?」
「石がな」
「あー、そうか……痛かったでしょー?」
「2回やったからなぁ」

───初めて知りましたが、弟は3回だそうです。
体質によって結石が出来やすいとか、女性は気づかないことが多いとか、
それはともかくとして、あの苦痛は全てを後回しにするだけの威力があります。

この体質は父親ゆずりではないか、というのが私と弟の意見。

寝床の快適性

空いた土地にバジルを植えました。
知り合いに南米出身の方がいて、バジルの生葉はありがたいのだとか。
先日に我が家の食卓でも入用だったため育てることになったのです。

さて今季は多めの石灰を施したことで元気のいいビートは、
そこそこ順調に塊根が育ち、これまでの挑戦では一番の出来となりました。

我が家が管理する畑では、残渣(ざんさ)を埋めて分解する手法をとります。
残渣とは、いわゆる可食部をのぞいた「食べない(食べづらい)」部分。
野菜くずなどの、現状では捨てるしかない部分のことを指します。

トマト、ナス、ピーマン、キュウリ───スーパーで目にする野菜は多かれど、
それらは食用に適した大部分のみを対象とし、それ以外は廃棄されます。

可食部でないものまで付いている場合は、そもそも除去しづらいとか、
除去すると可食部が傷みやすい、除去しないほうが保存しやすい、
あとは食べなくても見た目が良いという理由でしょうか。

トマトやナスのヘタ、ピーマンのワタ、玉ねぎの薄皮、シイタケの石突……。
捨てることは容易いですが、残渣として埋めれば分解されて堆肥となります。

ただし分解時に活性化する菌は、生きている根まで分解し生長を妨げますし、
土壌のpHが酸性化するため、アルカリ性を好むビートには適さなくなります。
今回、それを見越して石灰を多めに施したのが功を奏した様子。

色々調べたみたところ、残渣で生じた菌が沈静化するのは30日程度とわかり、
仕込んでから一ヶ月ほど経過した上で酸性化に対処するのが良さそう。

石灰が残り少なくなって来たし、そろそろ調達しようかな。
プロフィール

七片 藍

Author:七片 藍
フリーイラストレーター

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